5月より、石巻市牡鹿半島で新しいボランティアプロジェクトが始まっています。漁業・浜支援の一環で、浜の誇りとシンボルにすべく、納屋代わりに使っている貨物用コンテナにカッコいい大漁旗を描こうというもの。
まずは、メイキングから完成までのスライドショーをご覧ください!
震災前の各漁村には、それぞれの漁師が所有するブイや網、ロープなどの漁具の保管小屋がありました。津波でその多くが流され、現在は県の補助金などを受け、漁師が個人・共同購入したコンテナがその代わりを務めています。
当たり前ですが、購入したのはシンプルな業務用で全面茶色のもの。剥き出しになった土の上に、ぽつんと設置されている風景はどこか寂しく感じます。小網倉浜の漁師さんから、「復興に向けて頑張る浜のシンボルにしたい」とお話をいただき、お手伝いすることになりました。
地元雇用を応援したいという気持ちもあり、ご協力いただいたのは、女川に生まれ育ったメンバーで構成するデザイン・職人集団「女川アートギルド」。jペンキなどの材料の調達は地元の協立塗料さん、小松塗料さんに協力をしていただき、錆止め塗料と下地の白いキャンパスをボランティアが整え、そこに大漁祈願と安全祈願のための大漁旗を描くことになりました。
初めて手掛けることになったのは、石巻市牡鹿半島にある小網倉浜の大壁欣也さんのコンテナ。キャンパスは、縦12m×横2.4m×高さ2.6mの巨大かつ凹凸もある立体。大壁さんとイメージを相談しながら、水洗いと錆落としから作業が始まります。
もちろん雨の日は作業ができず、塗ったあとも乾くのを待ってからようやく次の作業に移ることができます。白く塗る作業の間に、次のコンテナを水洗い、大漁旗を描く間に次のコンテナを白く塗るなど、効率も考えながら作業は進んでいきました。
第一号の完成までに現場で費やした日数は8日間。見る人に元気をくれるような素晴らしい出来栄えです。大壁さんも「浜を訪れる人が車を止めて写真を撮っていってくれるようになったり、宝物になりました」とご満悦の様子。
今後、給分浜や寄磯など活動場所を増やし、40個程度のコンテナ大漁旗を完成させたいと思っています。
photo by Shoichi Suzuki, Sae Iota