「名蹴会サッカークリニック」の報告

5月19日のこのブログで紹介した、名蹴会のサッカークリニックが石巻で開催されました。今回は石巻サッカー協会と、ピースボートの支援活動の責任者であるサッカー好き山本隆が出会ったことから話が進み、名蹴会に依頼して実現の運びとなりました。

山本隆(左と金田喜稔さん右
山本隆(左と金田喜稔さん右

多くの子どもたちが、震災の影響で、思いきりボールを蹴って遊ぶこともできなくなっています。学校の校庭のいくつかは、津波で流れてきた倒壊家屋などの片付けがまだ終わっていないところもあります。また、自衛隊や支援団体の駐車場、仮設住宅の建設地などとして使われるなど、自由に遊べない所も多いのでが実状です。さらに、クラブ活動の部室そのものが流されていたり、備品やスポーツ用品、ユニフォームなどが無くなってしまった学校やクラブがたくさんあります。そうした状況を受けて、今回のサッカークリニックが行われました。

震災直後の女川町の様子
震災直後の女川町の様子

ゲストはサッカー解説でおなじみの金田喜稔さん名蹴会会長。金田さんはかつて日本代表としてマラドーナなどとも対戦した往年の名プレーヤーです。また、ピースボートの「ピースボールプロジェクト」を長く応援していただいている一人でもあります。山本隆とともクロアチナや東チモール、南アフリカなど、貧困や紛争などの理由で自由にボールを蹴ることのできない子どもたちを支援する活動を担っていただいています。

金田さんのレクチャー
金田さんのレクチャー

まずは輪になって金田さんによるサッカーレクチャーが始まります。パスなどの練習をしてから、金田さんや「コバルトーレ女川」のトップチームのメンバーが混じってのゲーム形式の練習に。点を取られたチームは、罰ゲームの腕立て伏せをします。言いだしっぺの金田さんが腕立てする姿も・・・。

ちなみに「コバルトーレ女川」は、Jリーグで活躍経験のある選手などもいる地元の強豪クラブで、地元が一丸となって応援しているアマチュアサッカーチームでもあります。震災で、選手寮も流され、今は地元の蒲鉾屋「高政」 http://www.takamasa.net/)の食堂に身を寄せていたりするなどの避難生活を続けています。チームは年間活動を休止し、地域の復興活動のために頑張っています。

ゲームの後は、「Lotto
Japan」からいただいた新品のサッカーボールをプレゼント。さらに、シュート大会では、『キャプテン翼』さながらに、あえてクロスバーに当てるゲームを行いました。見事命中した子どもには、名蹴会のユニフォームがプレゼントされました。最後に金田さんから、「みんなも大変やろうけど、また来るから、その時までにもっと上手くなっとけよ」という激励をもらいました。子どもたちは思う存分走り回って、大喜びの日となりました。