【2021年8月豪雨災害・佐賀】現地レポート:住民さんが一人で被災を抱え込まないための情報発信

被災した時にどうやって情報を得ようとしますか?

テレビ、新聞、最近はスマホのアプリやSNSで情報をキャッチする人も多いかもしれません。

実のところ、り災証明の申請手続きや送迎サービス、被災者への入浴施設の支援サービスといった、被災者にいち早く知らせたい情報は、地域の避難所や公民館など近所の公共施設の情報掲示板に、分かりやすく紙で掲示されていることが多いです。例えば、大町町公民館に開設されている避難所の掲示板には、食事提供の時間帯、健康やメンタルヘルスのケアのための専門家の巡回スケジュール、コロナ対策の注意喚起、被災したペットのサポート情報など、様々なお知らせが貼り出されています。

地区の支援交流拠点となる公民館でも、まずは被災住民が「支援を受けられること」を広く知ってもらえるように、住民さん達と一緒に情報掲示板の作成と整理を行いました。通りすがりの住民さんは、「うちは床上浸水だったけど、こんな歳だから、とてもじゃないけれど一人で畳なんか持ち上げられないのよ」と困りごとを抱えていました。

 

 

 

家屋の清掃や片付けを手伝ってくれる災害ボランティアセンターに関する情報をお伝えすると、掲示板から電話番号情報をさっそくメモされていきました。

「ほかのおうちの方が大変だから」と、自分たちだけで家の復旧作業を頑張りすぎて、ご無理をされている方にもたびたびお会いします。
公民館を毎日開いてくれている役員の方々は、「ご飯もお茶もマスクもあるから持っていってね」「いつでも話しにおいで」「家をどう片づけていいか一緒に考えよう」と、来訪した住民さん達に積極的にお声がけしています。

佐賀県大町町の地区内では、支援物資をお届けしつつ個別訪問し、困りごとの聞き取りや地域で取り組む復旧作業サポートといった情報を伝達して回っています。

「一昨日、昨日はお掃除を頑張ったの。だから今日はちょっとお休みしているわ。」とお話されていた住民さん。
気温が高くなる日中も、家じゅうの家財を出しては家全体の清掃作業を繰り返すなかで、熱中症などで体調を崩してしまう可能性も高くなります。
しっかり水分などを採りながら、休み休み行うことが大切です。

 

 

また、慣れない自宅の復旧作業を一人で抱えこみすぎず、地域の災害ボランティアセンターや支援団体に、家財搬出や泥出し、家屋清掃に関わる技術的なサポートを依頼することもできます。

こうした支援を、まず「お願いできることを知ってもらう」ことも大切な支援の一環です。地区の支援交流拠点となる公民館にPBVスタッフも駐在し、地区の区長さんをはじめ役員、班長の方々と力を合わせて、「みんなで力を貸しあい助け合う」ための情報発信を行っていきます。

住民さんが一人で被災を抱え込まないために、情報を発信している場所をまず知ってもらうための声掛けが必要だと感じています。