【北海道胆振東部地震】 先遣レポート

西日本豪雨への支援活動を続けるなか、9月8日~12日までの5日間、北海道胆振東部地震の被災地の先遣調査にスタッフを派遣しました。

震源に近い道南地域はもちろん、震度が1や2だった地域も含め、北海道すべてが停電するという異例の災害。情報システムが止まったことで、物流にも大きな影響が出ました。

 

 

 

 

断水や余震の影響もあり、直接的には建物の被害がなくても避難所に身を寄せる人がたくさんいます。一時休校になっていた学校も、9月18日からは北海道全土で再開しましたが、体育館は避難所として利用、運動場は駐車場になったいたりと授業や部活動が全面的に再開できるわけではありません。町内も広いので、指定された避難所ではなく、地域の施設に自主的に避難している人たちもいます。

 

 

 

各避難所は、町内の行政職員と北海道内からの応援職員、そして避難者の人たちも手伝いながらの運営です。全員がはじめての経験。救援物資は届いていても、本部運営のための事務用品がなかったり、届いた資機材の使い方がわからなかったりと、現場に立ち会ったからこそ見えてきた課題もたくさんありました。

 

 

 

いくつかの避難所に物資や事務用品を提供しました。過去には、夜道が暗いので屋外の仮設トイレに行くのが不安になり、水分補給を控えたことで体調を崩した高齢の避難者もありました。ソーラー式の照明器具を届けましたが、ただ届けるだけでは、分刻みで様々な出来事が起こる発災直後の避難所では段ボールに紛れてしまうこともあります。なるべく設置までを手伝うように心がけました。

体育館避難所では、もともと常設の下駄箱がなく、避難者が寝ているすぐ横にブルーシートを敷いて靴を並べていました。衛生上の課題がありました。お金を出して立派な下駄箱を買う選択肢もありましたが、学校が休みで元気を持て余していた子どもたちにも手伝ってもらって、一緒に段ボールの下駄箱を作りました。

 

 

 

 

また厚真町、安平町、むかわ町では、地元の社会福祉協議会(社協)が中心となって、災害ボランティアセンター(災害VC)を運営しています。特に厚真町、安平町では、事前登録制でボランティアを募集。PBVのボランティア募集では事前登録制が通常ですが、あまり社協の災害VCではこれまで目にしなかった方法です。

 

活動当日はスムーズに動きやすい反面、前日までの調整に労力がかかります。それでも、家屋の清掃だけに限らず、子どもたちのケアや避難所でのお手伝いなど、なるべく多様なニーズにも応えようと、北海道内の社協やNPOも協力し、試行錯誤の努力が続いています。

各町の災害VCのボランティア情報は、以下の「全社協 被災地支援・災害ボランティア情報」にまとめられているほか、各町ごとにホームページやfacebookなどで毎日情報が更新されています。条件に合う人には、ぜひ参加してほしいと思います。

●全社協 被災地支援・災害ボランティア情報
https://www.saigaivc.com/

◇厚真町災害ボランティアセンター
ホームページ(関連ページ) : http://www.town.atsuma.lg.jp/office/news/news/14147/
facebook : https://www.facebook.com/atsumavc/

◇安平町災害ボランティアセンター
ホームページ : https://0906ibora.wixsite.com/abiraborasen
facebook : https://www.facebook.com/0906.ivolunteer

◇むかわ町災害ボランティアセンター
facebook : https://www.facebook.com/mukawavc/

 

 

残念ながら、PBVが単独ではできないことがたくさんあります。むしろ、その方が多いと思います。だからこそ、東京の企業から「支援したい!」と申し出のあった発電機を必要な団体に提供し、札幌から「ボランティアしたい!」と相談してきた高校生に被害状況や災害ボランティアの活動を伝え、「子どもたちのために!」と声をかけてくれた神戸の団体による避難所での活動コーディネートを手伝わせていただきました。力を借りることで、少しできることが増えました。

 

一方で、北海道のNPOとJVOAD(全国災害ボランティア支援団体ネットワーク)が、行政とも協力しながら「漏れ・抜け・落ち・ムラ」を防ぎ、効果的な被災者支援に底上げすべく、情報共有会議を始めてもいます。

PBVでは、こういったたくさんの「支援したい!」という皆さんとともに、引き続きできることを継続していきたいと思います。
北海道胆振東部地震 緊急支援援募金にご協力ください。(クレジット可)