【パキスタン洪水】現地の声

5人の子どもを抱える、32歳のお母さん​

「豪雨と洪水の中で陣痛が始まりました。過酷な環境下でしたが、家族の自転車で病院へ。嬉しいことに無事、出産することができました」​

と話す、5人の子を抱える32歳のお母さん。

その後、生まれたばかりの赤ちゃんを連れて村に帰ると景色は一変。家屋は水没し、とても住める状況ではありませんでした。現在は道路の脇に作った小屋で日々を過ごしています。

「私たちはとても貧しく、1日3度の食事をとることはできません。子どもたちは不衛生な水と蚊のせいで病気になってしまいました。CWSAの診療所が私の村に来て無料診療を行ってくれたので、必要な薬をもらうことができました」

 

CWSAの医師の声

CWSAの診療所で働くアミナ医師はこう指摘します。

「女性たち、特に妊婦の多くが貧血と極度の栄養失調状態にあります。子どもたちも下痢や呼吸器の問題を抱えています。移動診療所では、患者が無料で薬を受け取ることができます。この活動は検査や治療だけでなく、被災して避難を余儀なくされている人々に、適切な衛生と病気予防の大切さを伝えることも目的としています」

診療活動は、人々の健康維持に欠かせない検査を行い、病気や感染症を防ぐことができます。同時に彼らが抱える問題にも耳を傾け、対応する場にもなっているのです。

 

PBVが実施しているパキスタン支援

今年の夏、長引くモンスーンの影響で、国土の3分の1が被災するという大規模水害が発生したパキスタン。

ピースボート災害支援センター(PBV)は、特定非営利活動法人CWS Japan を通じて、現地団体の Community World Service Asia(CWSA) の被災地支援活動に協力しています。

現地では水が完全に引くまで数か月かかると言われていて、衛生状態の悪化、感染症の拡大などが懸念されています。CWSAは特に被害の大きいパキスタン南部で、移動式の診療所を設置し、被災地で暮らす人々に医療サービスを提供し続けています。

集落全体が水没してしまった地域も多く、現地では医療、教育、食料、衛生など、あらゆるものが不足しています。そのため、長期的な支援が必要とされています。

CWSAの多岐にわたる活動を通じて、ひとりでも多くの人が安全で健康に暮らせるように。

 

皆さまからの引き続きのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。


写真提供:CWSA/CWS-Japan