洋上で実施する「災害ボランティア・トレーニング」のトレーナとして、PBVプログラム・オフィサーの上島安裕が「第77回ピースボート 地球一周の船旅」の10月21日-30日のパナマ-メキシコ間に乗船しました。
年に3回実施している「地球一周の船旅」には、年齢層も出身も国籍も様々な乗船者が集まります。今回も、岩手、宮城、福島の東北三県や、夏に水害支援を行った大分県竹田市の隣町からなどのPBVとしても足を運んだ地域を含め、日本国内だけでも45の都道府県からの出身者が参加していました。そういった全国各地の人と出会い、被災地のいまを直接伝え、それぞれの地元へ広がっていく。ピースボートの船の上だからこそできる、ひとつの強みだと思っています。
乗船した上島は、10~30代の若者たち20名を対象に、「洋上リーダートレーニング」を行ったほか、年代を問わず「災害ボランティア入門」も実施。石巻市や女川町の最新の活動についても講演も行いました。
そして、彼が今回メキシコに行った理由は、もうひとつあります。下船日にマンサニージョで行われた国際シンポジウムで、東日本大震災の経験を伝えることです。シンポジウムは、毎年世界各国の加盟大学が持ち回りで主催するもので、今年はマンサニージョ技術大学が主催。メキシコ、チリ、イタリアの学生や、これからの世界を担う青年たちが集まっていました。
上島は、ピースボートでメキシコを担当するスタッフ草深や、福島大学からの参加している学生らとともにシンポジウムにスピーカーとして参加。昨年3月からの宮城県石巻市や女川町での活動について講演を行いました。
また会場では、ピースボートから提供した東北や福島における東日本大震災の被害や、復興支援に関する写真パネルが展示されていましたが、参加者の若者たちも、現場の報告を聞いた上で見る光景に、一人ひとり想いをめぐらせているようでした。
各国を訪れると、いまも震災のこと、原発事故のことを質問されます。気にしてくれたり、応援してくれたりといった言葉に励まされることもたくさんあります。そういった世界中の人に、単に「ありがとう」という言葉だけではなく、震災当時、そしていまの東北の姿を具体的に知ってもらい、その国でも経験を共有する。船内では日本全国へ広げ、寄港地では世界各国へと広げる。この両輪が、ピースボートが船旅を通じて担うべき活動のひとつだと思っています。