HOPE for JAPAN 2011プロジェクト『世界から復興への愛のメッセージ』

2011年4月24日~7月12日、80日間で世界を一周したピースボートの船旅。こちらのブログでもお伝えしていたように、訪れた15カ国で、震災の様子を伝え、世界からの協力に感謝の気持ちを伝える写真展を行いました。この活動と平行して、船旅に参加していた若者たちが自分たちにできることを考え、各国でペンと紙を片手に道行く人に東北復興へのメッセージを集めるというプロジェクトが行われました。

HOPE for JAPAN 2011」プロジェクトの中心となったのは、神谷拓麻さんと矢澤右子さん。どちらも20代の若者で、東日本大震災から1ヵ月半後に横浜を出航したピースボートの船で出会いました。全国から集まった老若男女、年齢層も様々な参加者に協力を呼びかけると、一周を通して200人以上の人がボランティアでメッセージ集めを手伝ってくれたそうです。

 

各国で、メッセージへの協力を呼びかけるために用意したのは、手づくりの「Please wrtite a message. HOPE for JAPAN」と書かれたバナー。しかし、英語だけでは伝わらない国もあります。そんな時に、見知らぬ外国人である彼らに助けてくれたのもまた各国の人たちでした。各国から日本への支援、集めたメッセージの数々、旅を通じて出会った世界の人々への感謝を込めて、そのことを多くの日本人に伝えたいと、彼らは帰国後に本の出版を決めます。

 

出来上がった原稿が手元にあるわけでもなく、活字離れが進む時代に無名の彼らを出版社がすんなりサポートはしてくれません。自費出版に決め、写真や原稿、追加インタビューなどを行います。中でも苦労したのが、訪れた各国の大使館めぐり。自分たちの活動を支えてくれた国のことを伝えたい、その国から日本がこの震災でどんな支援を受けたのかを調べて回りました。

そうして出来上がったのが、『世界から復興への愛のメッセージ』(HOPE for JAPAN 神谷拓麻・矢澤右子著、ユーフォーブックス)です。製作費をカバーできれば、残りは東北への支援金になるとのこと。

※購入希望の方は、ピースボート災害ボランティアセンター東京事務局にお越しいただくか、インターネットの購入サイト(Amazon.co.jp楽天ブックス)などからお願いします。

 

 

「ボランティア」という言葉は、社会貢献や奉仕活動と言ったイメージで語られることが多いですが、直訳すれば「自主的・自発的」という意味。自分で考えて、自分から動く、ということです。震災を受けて、世界一周での出会いを通じて、彼らが自主的に動いた「ボランティア」に、改めて原点を教えてもらった気がします。