石巻市、牡鹿半島の鮎川から船で約20分。太平洋に浮かぶ島・金華山は、島全体が黄金山神社の神域とされています。「三年続けて参拝すれば一生お金にこまることはない」という言い伝えがあり、毎年お正月には県内外から多くの参拝客が訪れます。
しかし東日本大震災と台風15号の影響で、参道に通じる道は崩落。また、島唯一のお土産屋さんや生活水を確保する貯水槽には大量の土砂が流れ込み、参拝客が安心して訪れられる状態ではありませんでした。お正月を前に参拝客に安心して来てもらえるよう、「石巻災害復興支援協議会」の所属団体が集まり、12/19~23の期間、「金華山支援プロジェクト」が実施されました。
プロジェクトには13団体が参加、道路の修復作業を行う重機部隊と、お土産屋さんや貯水槽の土砂撤去作業を行う人力部隊に分かれ、作業を行いました。ピースボートの担当は人力部隊。
ここからは、現場の活動レポートです。
【 初日 】
船に乗って、いざ金華山へ。
この日の作業は貯水槽の土砂撤去。島の生活水を確保するため、ひたすら人力で土砂をかき出します。
【 2日目 】
神社の時間に合わせて、朝食前の早朝活動で鹿山の落ち葉集め。その後は初日に引き続き貯水槽の土砂撤去です。
金華山には、とにかくたくさんの鹿がいます。人懐っこく、向こうから近づいてきたりします。猿もいます。
【 3日目 】
午前中、お土産屋さんの土砂撤去。この場所は、お正月には参拝客の休憩スペースとして使われる予定です。午後は引き続き貯水槽の土砂撤去作業です。
【 4日目 】
翌日から海が時化るとの予報が出たため、急きょ予定を切り上げこの日で金華山から撤収することに。とにかく安全に参拝できるように、と参道の壊れたアスファルトを拾い集める作業を行いました。最後に玉砂利を敷いてひとまず完成。
現地で長く活動する中で、石巻にも東北にも、まだ僕たちの知らない素晴らしい自然や文化が残っている土地があることを改めて知りました。
沿岸部の津波被害を受けた被災地では、いまだ公共交通が十分に回復していなかったり、バスや船の便数が少なかったりと、観光に訪れる中で不便を感じることがかもしれません。復興応援の気持ちで、仙台や盛岡といった大きな街にはボランティア以外にもたくさんの人が集まっているそうです。最低限のマナーを守れば、人が集まることでその土地に元気が生まれます。その人の流れが、津波被害を受けた太平洋沿岸の町や集落にもちゃんと届くことを願っています。
photo:PEACE BOAT、Wikimedia Commons(GNU Free Documentation License)