みなさん、こんにちは
暑い日が続いていますね。なんでも、関東では梅雨明け宣言が出たとか
こちら石巻も連日刺すような日差しが続いていますよ。
関東に続きこのまま梅雨明けといきたいところですが、日々の仕事が泥出しメインの僕たちピースボートボランティア。
ピーカン☆な天気は個人的には大好きなのですが、この暑さで行う作業のことを考えるとただ喜んでばかりはいられず、なかなか悩みは尽きません(涙)。
けれどやっぱり季節の移り変わりは魅力的で、現場へ向う途中の開北橋から、旧北上川越しに望む周囲の山々は日に日に緑を増し、空の青さも濃くなり、そこへ浮かぶ雲も夏雲へ変わってきています。
そして、なによりの楽しみは夕暮れ時のマジックアワー。
石巻の夕焼けは絶品ですよ。お見せできないのが残念なくらい。
さて、前置きが長くなってしまいました。そろそろ本日の作業報告に参りましょう。
今日は、市内に数箇所あるピースボートのボランティア拠点のひとつ「新舘」の作業をレポートします
ドンッ
こちらが、新舘のボランティア拠点、通称「カスカ」(由来は、ボランティアに来てのお楽しみ)。元は精密機械の工場だったこの場所に、多いときでは120名からのボランティアが宿泊しています。
そんな新舘拠点も他の場所と同じく、朝礼と安全確認から一日は始まります
朝礼を仕切るのは「テッドさん」。震災が起きて、いてもたってもいられず居住地のアメリカからボランティアに来て早2ヶ月超。今では、とっても頼りがいのあるボランティアリーダーとして、新舘の拠点を守ってくれています。
テッドさんの朝礼が終わり、現場へ向います。テクテクと徒歩で向うこと30秒
なんと、今日の現場は真隣のスイミングプール
しばらく前から泥だしの依頼は受けていたものの、先に受けていた案件だけで手一杯だったのですが、ようやく作業に入れます
4ヶ月間手付かずだった泥の入ったプールは・・・
ボランティアのみんなも入ってきたときには絶句。
「どこから手をつけようか」
なーんて。
これまで幾多の現場をこなしてきた歴戦のボランティアは、そんな風に困るはずもありません。手際よく各グループのリーダーたちに指示を出し早速作業スタートです。
そして、今日は嬉しいことに、このプールに通う子どもたちやその親御さんなど地元の方と一緒に行う作業です。
作業前の段取りを終わらせたら、陽が入る手前の方から。
乾燥しているので比較的作業もし易いのですが、泥の下にあるタイルを壊さないよう気をつけながらスコップを振るいます。
同時に、散らばっている底上げ用の床板(子どもの練習用)も泥を取ってまとめます。
乾いた泥と床板を撤去した後に待ち受けているのは、水気の多いもしくは水が溜まっている部分に入っていきます。
ですが
最近の僕らには強い味方がいます。
それは、、、
オガクズ
水気の多い泥は土嚢袋に収まらず、そのままダンプで運搬すると街中に汚水を撒き散らすことになります。
そのため、泥にオガクズを混ぜて水分を吸わせるのです。
これは、水気の多い側溝清掃から生まれたアイディアで、尚且つ図ったように車で20分ほど走ったところにオガクズ屋さんが存在しています。
このようにしてオガクズと混ぜられた泥は、次々と土嚢袋に収められダンプへと積まれていきます。
久しぶりに結構ハードな現場ですが、それでもみんな手を止めることなく一生懸命作業に集中しています。
それもそのはず、こんなにハードな作業を一緒になって汗を流してくれているのは、被災前にもこのプールに通っていて、再開したらまた通うことになる子どもたち
みんな自分たちのプールを取り戻そうと泥だらけになりながらも必死に作業にあたっています。
そんな子どもたちは、
「俺んちも最初入ったときは、こんな泥があったんだよなー。」
「俺なんて、最初靴下で入ったからね」
なんて会話を友だちとしながら、せっせと泥を運びます。
僕らボランティアも、彼らに触発された結果、思った以上に作業を進めることが出来ました。
残念ながら一日で完了とはいきませんでしたが、それでもかなりの進行状況。
現場リーダーのテッドさん曰く「明日のお昼くらいには終わるんじゃないかな」とのこと。
全体の1/5ほどを残して今日の作業は終了。
ボランティアのみなさん、そして何より一緒になって頑張ってくれた子どもたちに拍手
一緒にプールをきれいにして早く入れるようにしようね☆
ということで、この現場の一日目は怪我人を出すこともなく無事終了。
明日はこの続編をお届けしたいと思います。
最後は、今日頑張ったみんなの笑顔を載せて締めくくりたいと思います。
作業完了後、みんなで道具を清掃し片付けて、終わり
と、思ったら、出口のところでひとり作業に勤しむ方が。
見慣れた後姿。
声を掛けてみると、
「排水が溢れ出てんねん。このままやったらこの道を通る人が嫌な思いするやろ」
と、今日指定された作業が終わった後もひとり汗だくで頑張る、福島カツシゲさんでした。
カツシゲさん(現場ではシゲさんと呼ばれています)は、ピースボートの「水先案内人」のひとり。過去何度も、ゲスト講師として船にも乗船して頂いています。
そんな彼からゴールデンウィークのある日、一本の電話が入ります。
「ボランティアに行こうと思ってんねんけど、原付あったら便利やんな」
「ええ、あったら良いと思いますけど…」
と、その一つの質問だけで電話を切りました。
すると、その二日後。
レンタルした原付で東京から石巻に駆けつけてくれたのです。
最初は「仕事が3日間空いたから」との事ですが、気づけばすでに・・・
2ヶ月が経とうとしています
僕らとしてはありがたいかぎりなのですが、正直仕事のことも気になります。
しかし彼は、
「今年は腹を括ったよ。ここには人の力が必要やねん。だから俺は出来る限りのことをやるよ」
と言い、今も石巻で毎日奮闘しています。
みなさんもそんな彼に会いに、石巻に来ませんか