2026年2月24日、ロシア軍によるウクライナへの大規模な攻撃がはじまってから丸4年となりました。残念ながら未だ停戦は叶わず、現在も多くの人々が避難生活を送っています。
ピースボート災害支援センター(PBV)は、大規模軍事侵攻が始まって以降、隣国ルーマニアやウクライナで活動する複数のNGOを通じて様々な人道支援を行ってきました。
PBVのウクライナ人スタッフソフィア・デミデンコが今の思いを語ります。

「ウクライナ出身の私が日本で見つけた「連帯」と希望」
ロシア軍による本格的なウクライナ侵攻から4年を迎えようとしています。母国であるウクライナが戦火に見舞われてからすでに4年間という月日が過ぎようとしていることを思うと、信じがたい気持ちになります。これほど長く続くことを誰が予測できたでしょうか。けれど現実には、この戦争は今も人々の命を奪い続け、ウクライナ全体を疲弊させています。
エネルギーインフラへの攻撃により、冬は厳しい寒さの中で何百万人もの人々が再び安定した電気や暖房のない生活を強いられています。気温がマイナス20度という環境において、暖房器具が使用できないことは「不便」ではなく「生命の危険」へとつながります。そんな過酷なウクライナの冬を、地域によっては1日わずか数時間しか電気が使えない中で過ごしています。水道管は凍結し、家屋は損壊し、日常生活を送ること自体が絶え間ない努力の連続となりました。私の家族や友人は、深い疲労の中にありながらも、互いに支え合い、工夫を凝らしてこの状況を乗り越えようとしています。先が見えない中において、今日もたくましく生きる彼らの姿には心を打たれます。
私が所属するピースボート災害支援センター(PBV)での活動を通じ、私は「連帯」という言葉を新たな意味で理解するようになりました。日本とウクライナの協力関係を調整する中で、忍耐、信頼、そして長期的なコミットメントの重要性を改めて理解したのです。
私にとって最も意義深かった経験の一つは、リヴィウにある「UNBROKEN(アンブロークン)」リハビリテーション・プログラムとの連携支援(*1)でした。このプロジェクトのおかげで、ウクライナから離れて暮らしていても、母国の復興に貢献できると実感することができたからです。
このプロジェクトを通して、私はウクライナに一時帰国し、リヴィウの病院に所属するウクライナ人医師に同行してリハビリ補助ロボット「RE-Gait(リゲイト)」を届ける機会に恵まれました。

脳の損傷などで歩行困難になった患者が、腰や足首に装着して1回20分程度の訓練を繰り返し行うことで、歩行能力を回復させられる

医療プロジェクト「UNBROKEN」にて

昨年4月、操作方法の実地研修のためのウクライナ医師招へい時の懇親会にて、中央がソフィアさん
戦時下の帰国にリスクを感じつつも、直接ウクライナの支援活動に携われたことに対するやりがいと喜びはとても大きかったです。プロジェクトを通してPBVの同僚から受けたサポートと励ましは、言葉では言い表せないほど大きな支えとなりました。文化、時差、働き方の違いがあっても、私たちは強力な協力関係を築くことができたという経験は、「人道支援」という共通の価値観があれば、物理的な距離を乗り越えられるという実感を得ることにつながりました。
現在、私は日本に暮らしながら、日本に住む外国ルーツの人たちに向けた「防災研修(*2)」の支援に携わっています。故郷を離れて暮らすことへの不安や心細さを身をもって体験した私にとって、この防災研修は非常に意味がある仕事だと感じています。ウクライナの病院におけるリハビリ支援だけでなく、日本で支援を必要としている在住外国人や、これまで優しさと連帯で私を支えてくれた日本のコミュニティに対しても貢献したいと思います。これから私なりの方法で、恩返しをしていきたいです。
最後に、この場を借りてウクライナを支援してくれている日本の皆さんに感謝を伝えます。
皆さんの支援が、「ウクライナは一人ではない」という連帯を力強いメッセージとなり、4年が経った今も過酷な環境の中で生活を立て直そうとしている人たちを力強く支えています。母国を代表して、そしてひとりのウクライナ人として、心より感謝申し上げます。私たちと共に歩んでくださり、ありがとうございます。


ソフィアさんが現地で撮影した
「RE-Gait」活用の様子
(*1)「UNBROKEN(アンブロークン)」リハビリテーション・プログラムとの連携支援
長期にわたるロシア軍の攻撃により、多くのウクライナ国民への長期にわたる身体的・心理的な支援の必要性がこれまで以上に緊急の課題となっています。PBVは、被害者の回復のためにリハビリテーションが重 要であると認識し、国内避難民(IDP)を含めた住民の医療 を支えている「UNBROKEN*(アンブロークン)」を主導 するリヴィウ第一医療連合(First Medical Union)に対し、日本で開発された歩行のためのリハビリ補助ロボット「RE-Gait*(リゲイト)」を提供。2025年4月には、操作方法の実地研修のため、ウクライナから医師を日本に招聘しました。
⇒ リハビリテーション・プログラムの実施レポート(2025年)はこちら
(*2) 防災研修
日本に暮らす外国人向けにPBVが企画・実施している英語での防災教育プログラム。
⇒ 詳細はこちらから
PBVのウクライナ支援
これらリハビリテーション・プログラムや防災研修のほか、PBVでは、戦争の長期化を受けウクライナの医療施設への追加支援に向けて現地と調整を進めています。皆様からの継続的なご支援、どうぞよろしくお願いいたします。
これまでのウクライナ人道支援活動レポート
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(ソフィアさんレポート:原文)
Four Years of War: Solidarity Across Borders
As we approach the fourth anniversary of the full-scale war in Ukraine, it is difficult to believe how much time has passed. What no one could predict in its duration has become a long and painful reality. The war continues to take lives and exhaust an entire nation.
Especially during the winter months, attacks on energy infrastructure have once again left millions without stable electricity or heating. In some areas, power is available for only a few hours a day. When temperatures drop to –20°C, the lack of heating becomes not only uncomfortable but dangerous — pipes freeze, homes are damaged, and daily life becomes a constant effort to adapt. My family and friends continue to find creative ways to cope, supporting one another despite deep fatigue. Their resilience is inspiring, even when the future remains uncertain.
Over the past year at Peace Boat Disaster Relief (PBV), I have come to understand solidarity in a new way. Coordinating cooperation between Japan and Ukraine has taught me patience, trust, and the importance of long-term commitment. One of the most meaningful experiences for me was supporting our collaboration with the UNBROKEN rehabilitation program in Lviv. This project allowed me to feel that, even while living abroad, I could contribute in a tangible way to my country’s recovery.
I was given the opportunity to return to Ukraine to accompany a rehabilitation doctor and assist in delivering Re-Gait devices. Although traveling home during wartime involved risks, I was grateful for the chance to contribute directly. The support and encouragement I received from my colleagues at PBV during that time meant more than I can express. Despite differences in culture, time zones, and working styles, we were able to build strong cooperation — proof that shared humanitarian values can overcome distance.
Today, my work also includes supporting disaster preparedness training for foreign residents in Japan. This is deeply meaningful to me, as I understand what it feels like to live far from home and face uncertainty. I hope to contribute not only to Ukraine through rehabilitation support, but also to foreign residents in Japan who may need guidance, and to the Japanese community whose kindness and solidarity have supported me throughout these years. In my own way, I would like to give back.
To all the donors and supporters in Japan, thank you. Your support becomes real assistance for people rebuilding their lives. Even after four years, your solidarity sends a powerful message: Ukraine is not alone.
On behalf of my country, and personally from my heart, thank you for standing with us.
