被災地の支援活動は、個人の皆さまはもちろん、たくさんの企業や団体の皆さまの温かいご支援があってこそ成り立っています。今回ご紹介するのは、東日本大震災以来10年以上にわたり、ピースボート災害支援センター(PBV)と共に被災地支援を続けてくださっているパルシステム生活協同組合連合会です。
パルシステム生活協同組合連合会は、首都圏を中心に活動している生協(生活協同組合)の連合会です。約170万世帯もの皆さんが利用されていて、安全にこだわった食品や日用品を各ご家庭にお届けしています。食の宅配だけでなく、共済や福祉、電力事業など、暮らしに関わる様々な活動を通じて、組合員の皆さんの日々の生活を支え、課題解決に貢献されています。
パルシステムとピースボート災害支援センターの協働による災害支援
ピースボート災害支援センター(PBV)とパルシステムの災害支援の協力は、2011年の東日本大震災がきっかけで始まりました。それ以来、私たちはお互いに協力し合いながら、日本の各地、そして世界の被災地へと支援の輪を広げています。
生活協同組合は、組合員の皆さんの暮らしに寄り添う身近な存在です。日頃から食料品や生活用品を届けるための物流ネットワークと、組合員の皆さんとのつながりは、災害が発生した時に大きな力を発揮します。そこには、「助け合い」の精神が息づいており、組合員の皆さんからの温かい募金やボランティア参加が、被災地を力強く支えています。
日本国内での支援活動
これまで、パルシステムとPBVは様々な災害現場で共に活動してきました。
東日本大震災(2011年)では、発災直後からPBVと共に大規模な支援を展開し、宮城県石巻市ではパルシステムの協力で在宅避難者や避難所への温かい炊き出しが実現しました。復興期には、住民の皆さんの生活支援や仮設住宅でのコミュニティづくりにも、パルシステムからの物資や支援金が大きな支えとなりました。
熊本地震(2016年)では、PBVが益城町を中心に活動する中で、パルシステムは組合員の皆さんからの募金や支援物資を提供してくれました。避難所運営や被災した家屋の清掃、生活再建のための支援金など、現場で本当に必要とされているものに寄り添った支援でした。
西日本豪雨(2018年)の際には、PBVが活動した岡山県倉敷市真備町などで、水害に見舞われた住民の皆さんへ食事や生活物資を提供し、被災地の環境改善に貢献しました。
また、2018年からはPBVとパルシステムに加え、複数の団体が連携して立ち上げた「みんなの炊き出し研究所」という取り組みも実施しています。災害時の食と栄養の課題に向き合うこの取り組みでは、被災地での炊き出しの実践や工夫を集めた事例集『災害時の炊き出しに関わる 課題・解決事例集 ~災害時の避難生活の 「食」にまつわる課題 36事例~』も発行され、支援の質の向上と平時からの備えに役立てられています。
そして、能登半島地震(2024年)では、パルシステムの組合員の皆さんからの募金を活用し、PBVが行う炊き出しの食材調達、避難所運営に必要な物資の提供、さらには地域コミュニティ再建への活動が行われています。さらに、配送車両をPBVのフーバー事業に寄贈してくださるなど、本当に多方面から被災地を支えてくださっています。
世界の被災地への支援
パルシステムは、日本の災害だけでなく、海外で起こる災害や紛争に対しても、PBVとの連携を通じて温かい支援を届けてきました。PBVが持つ国際的なネットワークを活かした支援活動に協力をされています。
2015年のネパール地震では、パルシステムが行った緊急支援カンパがPBVを含む複数のNGOに届けられ、生活物資の提供、倒壊した学校の再建、子どもたちの支援に役立てられました。2022年からのウクライナ人道危機で故郷を追われた人々への人道支援、そして2023年のトルコ・シリア大地震では、食料や水、医薬品といった緊急支援物資の提供や、長期的な復興活動をPBVを含む複数の支援団体を通じて支えてくださっています。
これらの支援活動は、被災地での食料や飲料水の確保、シェルターの整備、衛生用品の提供、そして生活再建のための支援や、子どもたちの学びを支える教育支援など、その内容は多岐にわたります。これは、「国内外を問わず困難にある人々を支えたい」というパルシステムの温かい理念に基づいています。
パルシステムの組合員の皆さんとの温かい協働は、緊急時の支援から、被災地の皆さんが再び立ち上がるための長期的な復興支援、そして将来の災害に強い社会づくりへと、その取り組みを大きく広げています。
なお、能登半島地震・奥能登豪雨災害への支援活動は、ジャパン・プラットフォーム(JPF)、休眠預金、日本財団、CDPをはじめとする助成団体やパルシステム生活協同組合連合会、Yahoo!基金、LINEヤフーなどの企業の皆さまから多くのご支援をいただいています。
皆さまからのご支援、ご協力に感謝申し上げます。