ウクライナ人道支援:歩行リハビリプロジェクトレポート【前編】の続きです
【日本の医療機関でリハビリ技術を学ぶ】
4月3日、ウクライナからの先生を迎えた2日目の研修は、広島県福山市内の脳卒中専門病院で行われました。
この病院では、患者が歩行機能をとり戻して日常生活を再開するために必要な幅広いリハビリ治療とサポートを提供しています。
今回の研修では、脳卒中の患者さん1名に協力していただき、患者さんがリハビリ補助ロボットのRE-Gaitを使って歩行訓練をする瞬間に立ち会うことができました。
コロシンスカ先生は患者さんのリハビリの様子を分析し、病院の理学療法士さんと話し合いながらRE-Gaitの最適なモードを選択するといった作業を通して、1日目よりもさらに実践に近い研修となりました。患者さんからは2年間に渡るRE-Gaitを活用したリハビリ治療の体験談を聞かせてもらい、理学療法士さんと患者さんそれぞれの視点からこのロボットの機能について理解を深めました。
研修終了後、先生は病院の職員たちと面会し、UNBROKENプロジェクトとウクライナでの活動について紹介と質疑応答をおこないました。帰り際、ウクライナの現状を知った病院の職員の皆さんから先生に、改めて今回のプロジェクトへの応援のメッセージが伝えられました。
限られた滞在時間ではあったものの、今回の研修ではRE-Gaitに関するたくさんの知識と実践的な体験を得ることができました。貴重な機会を提供してくださった病院関係者の方々に、心から感謝申し上げます。
【ウクライナ人道支援:歩行補助ロボットをウクライナの病院に届けました】
先生が日本で歩行補助ロボットRE-Gaitの操作を学ぶ研修を終えて、いよいよウクライナ国内で実際のリハビリ治療に活用します。
PBVスタッフが先生と共にウクライナに渡航し、リヴィウの国立リハビリテーションセンターに2台のRE-Gaitを届け、医療チームとの面会をおこないました。
2022年2月にウクライナ軍による本格的な攻撃が始まって以来、リヴィウ市はウクライナ中から23万7000人の国内避難民を受け入れてきました(2024年10月時点)。今日に至るまで、同市は重要な人道的拠点としての役割を果たし続けており、戦争で負傷した人々だけでなく、継続的な治療やケアを必要とする慢性疾患を持つ他地域からの人々にも医療サービスを提供しています。
訪問中、PBVスタッフは、理学・リハビリテーション医学博士、理学療法士の先生と面会し、病院内の理学療法施設やリハビリテーション施設を見学する機会に恵まれました。
リヴィウは比較的安全であると考えられていますが、残念なことに過去3年の間にウクライナ国内で22,000箇所以上の医療施設が攻撃されたことを考えると、この病院も絶対に安全とは言い切れません。こうした状況を踏まえ、UNBROKENの各医療施設には、患者と医療従事者を守るためのシェルターが設置されていました。ウクライナの病院が直面している厳しい現実を目の当たりにしました。
先生とUNBROKENの協力のもと、日本のリハビリ技術とRE-Gaitを活用したリハビリ治療がいよいよ開始します。現地からの治療の最新情報は引き続きPBVのウェブサイトやソーシャルメディアでお伝えします。
【ウクライナ人道支援募金】
https://pbv.or.jp/donate/2022_ukraine
#ウクライナ #人道支援 #UNBROKEN #ピースボート災害支援センター #PBV
https://unbroken.org.ua/