ジョージアにスタッフを派遣しました【ウクライナ人道支援 再生医療リハビリテーションプロジェクト】

ついに歩行補助装置「RE-Gait®(リゲート)」が現地に到着

 

現地に届いたRE-Gait

 

5月10日に広島市内で行った、ウクライナの負傷者を支援する「再生医療リハビリテーションプロジェクト」に関する記者会見(当日の様子はこちら)。

 

その後、現地との調整や輸送の手続きなどに時間を要していましたが、支援の第一弾として歩行補助装置「RE-Gait®」2台をジョージアに導入しました。

 

「RE-Gait®」が届いた7月、PBVはスタッフ2名をジョージアに派遣。プロジェクトコーディネーターの広島大学院医系科学研究科の弓削類教授と現地にて合流しました。

 

弓削教授(右から2人目)、PBV鈴木(左から2人目)

 

ジョージアはかつてグルジアと呼ばれていた国です。北にロシア、西に黒海、南ではトルコやアルメニアなどと国境を接している位置にあります。日本ではなかなか馴染みの薄い旅先かもしれません。しかし首都トビリシの旧市街は、世界中からの観光客で国際色豊かな雰囲気に満ちていました。またジョージアは、ワインの発祥地としても知られています。

 

観光客で賑わうトビリシの旧市街

 

最先端のリハビリテーションに特化した「KEN WALKER University Clinic for Medical Rehabilitation」

 

訪れたのは「Ken Walker Clinic」と「Ken Walker International University(大学)」に併設された先駆的リハビリテーションに特化したセンターです。まずは現地のお医者さんたちとともに施設内を見学。どのようにリハビリテーションに取り組んでいるのかをお伝えいただきました。

 

温水プール

水泳や水中歩行はもちろん、水中に設置されているトレッドミルを使用することもできます。また、プールサイドには椅子に座ったまま水中に移動できるリフトもありました。

 

義肢装具製作室(院内)

ギプスで採型して装具を作る「義肢装具製作室」や、子供の障がいに合わせた学習机や椅子などを制作する「工作室」がありました。

ジョージアの病院だけでなく、日本の多くの病院も、それらの制作は外部に依頼するそうです。しかしそれだと微調整するにも迅速な対応が難しいことからこれらの製作室を用意し、専門のスタッフを雇っているとのことでした。装具などは特に成長が早い子どもは何度も調整が必要になることから、このような設備はとても重宝しているそうです。

 

リハビリテーションルーム(成人用)

リハビリの治療室ごとに世界各国から取り寄せた異なる機械や設備がありました。実際に多くのリハビリ中の患者さんがいましたが撮影は控え、雰囲気をお伝えします。

 

この他にも小児リハビリセンターも併設しています。子ども向けの心理サポートを行う部屋があったり、学生向けの図書館や学習室があったりなど、とても充実したクリニックという印象を受けました。

 

RE-Gait®を開封し、お医者さんたちが使用方法を学ぶ

 

クリニックの見学後、到着しているRE-Gait®を開封。

 

弓削教授はまず概要を伝え、実際に現地のお医者さんたちが試してみることに。

 

 

「Re-Gait®は、タブレットとセットの歩行専用ロボットです。そのため、ただ装着するだけでは意味がありません。患者さんの症状に合わせた設定をタブレット上で行う必要があります。その設定をするのはとっても簡単だそうです。

 

実際に装着して歩き始めると「なんだこれは!」と、初めての感覚に笑顔と困惑が混じった表情になるジョージアのお医者さん。何往復も院内の廊下を歩いたり、階段を上り下りしたりして、感覚を確かめていきます。

 

タブレットの使い方もお医者さんやリハビリスタッフがいろいろと試していきます。弓削教授は傍からアドバイスをおくってサポートしたり、使用感を聞き取り続けます。

ほぼ一日でお医者さんたちは基本的な操作を習得。患者さんの症状に合わせてタブレットの設定ができるようになりました。「足首だけをコントロールするロボットが世界に無く、RE-Gait®は軽くて簡単に使えるね」と、好評でした。

2日に分けてKen Walker University Clinicセンター長、脳神経外科、放射線医師等の数名の先生と複数の理学療法士の方が試しました。

今後、使用にあたって不明点などが発生したとしても、弓削教授が日本からリモートでアドバイスを続けていきます。

 

本プロジェクトの今後

 

「RE-Gait®」が到着し、リハビリの必要な患者さんへの使用の目処がたってきました。今後はロシア軍の侵攻によって傷ついたウクライナの人々を受け入れるための調整や、間葉系幹細胞を用いた再生医療を届けるための調整を進めていきます。

今後も最新情報を更新していきますので、引き続きご関心をお寄せいただきますようお願いいたします。

 

本プロジェクトは多くの企業・個人の皆さまからのご寄付と、ロート製薬さまからの多大なるご寄付によって実施しています。

 

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