2023年7月10日より、九州北部を中心に記録的な大雨が降り続きました。ピースボート災害支援センター(PBV)ではスタッフ6名を派遣し、床上浸水の被害が発生した住宅に対して必要に応じた家屋保全などの技術的支援を実施しています。発災から2週間の初動の動きをレポートにまとめました。
被害概要
福岡県、佐賀県、大分県で線状降水帯による非常に激しい雨が続きました。九州北部で経験のないほどの豪雨により、一部の地域では、ただちに命の安全を確保する「警戒レベル5」が発令。土砂災害や河川の氾濫・決壊、大規模な浸水被害が発生し、家屋への被害がでていました。
総務省消防庁(7月20日時点)によると、住家被害は、福岡県、佐賀県、大分県の3県だけでも784棟に上ります。
発災直後の動きと、支援活動内容
PBVは、現地にスタッフを2名派遣し、7月11日より関係機関や支援団体と連携しながら、各地の情報収集を開始しました。甚大な被害を受けた福岡県久留米市、うきは市、東峰村などを訪れ、地元の社会福祉協議会、支援団体の皆さんと被害状況を確認。PBVとしての支援を開始しました。
12日には、福岡県久留米市で大雨特別警報「レベル5」が発令されるほどの土砂降りとなりました。被災された住民さんからは「さすがに疲れたよ」という声が聞こえてきます。
また夕方から夜にかけて、佐賀県、福岡県、それぞれの支援関係者が集まる情報共有会議が開かれ、徐々に広範囲にわたる被害状況や住民のニーズが見えてきました。
PBVは、緊急災害対応アライアンス(SEMA)のCSO加盟団体として、被災された方々や災害ボランティアセンターで必要となる支援物資の提供を行うとともに、浸水した家屋の壁・床剥がしなどの家屋保全ニーズにも対応し生活再建のサポートを実施しています。
発災一週間後の17日。PBVは5月に発生した2023年石川県能登地方地震(石川県珠洲市)の支援を終え、スタッフ3名が車両2台に資機材を積んで福岡県へ移動を始めました。
翌18日より、福岡県うきは市での支援活動を開始。初日は、うきは市社会福祉協議会、地元の支援団体である一般社団法人 螢火と、PBVの三者で、支援の方向性を擦り合わせます。支援が長期化することを見据え、最初から丁寧に対応していきたいという地元の皆さんの想いをうけ、PBVは家屋対応を中心にお手伝いさせていただくことになりました。
打ち合わせ後、三団体で6軒のお宅の被害状況を調査へ。いずれも内水氾濫による床上浸水で、床下への土砂の流入は少ないものの、乾燥が必要な状態であったため、送風機を設置するなどの対応を行いました。
今後も支援を継続していきます
今回、被害状況や支援体制、必要としている支援を確認しながら、現地のニーズに合わせて支援活動をスタートさせています。初動の現地調査や緊急支援にあたっては、PBVの月額寄付制度「災害支援サポーター」をはじめ支援者の皆さまからのご寄付を活用して、発災直後の初動調査や緊急支援を迅速に開始することができました。ご協力を頂きました皆様には感謝申し上げます。
PBVは、これまでの災害支援の経験や知見を活かし、支援活動を行っていきます。「物資・備品提供」「被災家屋の応急対応・保全」「災害支援のノウハウ提供」など、被災された方々の生活再建に向けて必要な支援活動を実施していきます。
これらの活動は皆様からのご寄付に支えられております。
ぜひご協力をお願いいたします。
◆「災害支援サポーター」(随時募集中)
発災直後の迅速な活動を支援します