「震災から3ヶ月、災害ボランティア報告会」の報告 (後半)

6月12日日に行われた災害ボランティア報告会では、海外から支援に来てくれたインターナショナルボランティアや、企業の社会貢献の一環として行なわれた社員ボランティアについても取り上げました。

カレン・シーグさん
カレン・シーグさん

ピースボートでは、非日本語スピーカーのインターナショナルボランティアも大勢受け入れてきました。カレン・シーグさんは、毎日泥だらけになって清掃作業を行いました。

「何かやらなければと思ってボランティアの受け入れを探したら、日本語ができなくても受け入れてくれるのがピースボートでした」

そう参加のきっかけを話してくれたカレンさん、石巻で忘れられない出会いについても紹介してくれました。

「お店に泥が入って途方に暮れて店をやめようと思っていた着物屋さんがいました。自分ひとりでやると元に戻すまでに1年かかると思っていたそうです。ところが私たち泥出しチームが1日できれいにしたら、また店をやりたいと、希望を持ってくれました。とても嬉しかったです。なぜ他の国からわざわざ来てくれるのとよく言われるけれど、困っている人を助けるのは、人間として当然のことだと思っています」

大活躍だったスリランカチームにも話が及びました
大活躍だったスリランカチームにも話が及びました

今回は、企業が積極的に社員を災害ボランティアに送り出す取り組みも始まっています。これは、阪神大震災や新潟の中越沖地震の救援を経験しているピースボートにとっても新しい動きです。特に、本日ご出演いただいた株式会社ブリヂストンさんと日本アイ・ビー・エム株式会社さんは、ピースボートと協力して、いち早くボランティアの派遣を実現していただきました。

ブリヂストンの室井孝さん
ブリヂストンの室井孝さん

ブリヂストンの室井孝さんは、企業として募金をしたけれど、それだけでいいのかと煩悶していたと言います。

「自分たちも被災地でボランティアをするべきじゃないかと思い、会社に提案しました。会社からは、はじめは心配されましたが、第一陣がうまくいって、役に立つことが証明されたので、その後も引き続き、年内11月まで継続的にボランティアを送り出すことが決まりました。最初に120人募集をしたら、私のメールがパンクするほどたくさんの応募が来て、1日半でいっぱいになったんです。また、ボランティアをして帰ってきた人にアンケートをとったところ、そのほとんどが苦しかったけどまたやりたいと言ってくれました」

日本IBMの松本さん
日本IBMの松本さん

日本アイビーエムの松本宗樹さんは、会社のアメフトとラグビーチームのメンバーにボランティアに行くことを呼びかけました。

「ピースボートさんは1週間単位でのボランティアを募集していましたが、社員が1週間の期間会社を休むのは難しいため、3泊4日の独自のスケジュールを組んで、会社のメンバーで長期間の支援をつないでいくスタイルをつくりました。5月27日から6月11日までの間に、アメフトとラグビーチームのメンバー100名中、80名がボランティアに行きました。主に力仕事をやったわけですが、1日に5トントラック37台分のヘドロをかき出したこともあります」

被災地の状況を説明するスタッフの上島左と山本隆
被災地の状況を説明するスタッフの上島左と山本隆

最後に山本隆から、復興支援の今後について。

「震災から3ヶ月たって、ボランティアの活躍によって変わった部分はあると思います。でも、3ヶ月というと、ピースボートは神戸のときは一段落したと判断して3カ月で撤退しているんです。比較するものでもないけれど、復興が全く遅れているのは確かです。今回の場合は被災者の方が仮設に入ったから状況が良くなるかというと、そうでもないと思います。これまでの震災と違って、家だけではなく職場も失っている人も多いというのもその原因の一つです。だからゴールがどこにも見えないという感じになっています。まだ何も解決はしたわけではありません。まだまだやることは山積しています。だからボランティアを送り続けないといけないといけません」

3ヶ月たって、落ち着きを取り戻したかのように考えられてしまいそうですが、被災地ではボランティアの力がとにかく必要とされています。今後とも様々な分野の皆さんのご支援が必要となっています。どうぞよろしくお願いします。