ピースボートが派遣しているボランティアの中には、日本語を話せないインターナショナルボランティアと呼ばれるメンバーが大勢います。日本在住の人はもちろん、海外から来る人も珍しくはありません。これまでピースボートでは延べ200人以上のイ ンターナショナルボランティアを送り出してきました。(6月中旬現在)
一方で、日本語を話さない外国人を受け入れているボランティア組織や自治体は現在でもほとんどありません。インターナショナルボランティアの受け入れを積極的に進めている理由と、彼らの活躍の様子について、担当スタッフの内藤有紀に話を聞きました。
Q:ひと口にインターナショナルボランティアと言っても、いろいろな人がいると思います。どんな人が来ているのでしょうか?
A:最初は受け入れてきたほとんどのケースは個人参加でした。やはり日本に住んでいて、日本に親しみを感じている人が多いですね。この危機に何かをしたいという思いでやってきてくれました。海外に住んでいる人は、かつて日本に住んでいたり旅行に行ったことがあるという人がほとんどです。
また、5月からは、海外の大学や外資系企業からも問い合わせや参加が増えてきました。スリランカのときのように、大使館から話が来ることもあります。だいたい30か国くらいでしょうか。アジア、ヨーロッパにアメリカ、南米の人もいました。ガーナやエジプトの人もいるんですよ。それはさすがに日本在住の人ですけどね。
Q:なぜピースボートにこれだけ大勢が集まってくるのでしょうか?
A:私自身も調べたんですけど、日本語を話せない外国人ボランティアを受け入れている団体がほとんどありませんでした。だから結局いろいろ探したけれどピースボートに来たという方が多いんです。ピースボートでボランティアに行った人が、他のグループに問い合わせた時に「ガイジンはいらない」と言われてショックを受けたそうです。受け入れ態勢の問題とか、いろいろ事情はあるので仕方がないとは思いますが、残念なことです。だから個人のボランティアをしたい、誰かの役に立ちたいという気持ちを、ピースボートで形にしてもらえたらいいなと思っています。
言葉は通じないかもしれないけれど、実際は日本人の方以上に、海外の人の方がボランティアに慣れていることもあって、活躍してくれる場面もたくさんあります。しかもそういうことを誰も特別なことだとは思っていないんです。皆さん、大変な時にできることをしに行動するのは、国籍は関係なく、人としてごく当たり前のこととしてやっているんです。
後半に続く