PBVでは「令和3年度 東京都在住外国人支援事業助成」を受けて、日本在住の外国人の方へ向けて防災講座を実施しています。
日本は地震大国とも呼ばれ、大規模な被害が出る地震も多くなってきていますし、水害などの被害も年々拡大しています。国内で発生する可能性のある巨大地震に対する意識を高め、備えるために、東京在住・在勤外国人向けのワークショップを開催することになりました。このワークショップは、防災教育・研修に触れる機会の少ない日本語を母語としない住民に向けて、英語とやさしい日本語で行われます。今回は、家庭でのリスクの防止・軽減方法、避難手順、家庭での備蓄品など、災害への備えの基本を学びます。
その講座の1回目が10月30日に開催されました。午前中はやさしいにほんごで、午後は英語の実施となりました。参加された方は合計で19名で、皆さん比較的日本語も話せる方ばかりでしたが、やはり母語で学びたいと英語の時間帯の参加者が多かったです。出身はアメリカ、イギリス、オーストラリア、フィリピン、ネパールなど多様な地域でした。年代は30-40代が比較的多く、お子さん連れの参加もありました。
もともと防災に意識の高い皆さんだったので、ご家族で防災対策の話をしたことがあったり、近くの避難所の場所を知っている方も多かったです。ですが、地震の際に有効な家具・家電の固定方法を知らなかったり、地域の防災訓練に参加したことのない方が多い印象でした。詳しく英語での説明表記がなかったり、地域の防災訓練も日本語で行われるので、なかなか情報を得る手段がないようでした。
今回は主に首都直下地震を想定し、地震の起こる前の備えや起こったときの安全確認の優先順位や避難の仕方などを一緒に学びました。避難所のルールを作ったり、維持管理するのは誰だと思いますか?という質問に対して「政府の人が来てくれるんじゃない?」「学校の先生がやるのかな?」「ボランティアがいると思う」などの回答がありましたが、避難所には「避難者自身の力で行かなければいけない」と伝えるととっても驚いていました。
地震があまり起こらない国々ではハリケーンのときの防災訓練は学生のときにしたけれど、地震や水害に関する防災訓練は経験したことがなく、そのまま大人になって日本に来たので日本の防災を学ぶ機会がないという方が多かったです。会の進行中もたくさんの質問があがったのですが、終わってからも備えや対策について関心があったようで、個別に講師と話しているいる方がたくさんいました。「今の自分の防災対策は不十分だと分かってよかった」と今後の備えに前向きなコメントもいただきました。
日本人ですら地震が起きた時に避難所や津波避難場所などを知らない方もいます。日本語を使うのが当たり前なわたしたちにとってはビルや公園のピクトグラムが目に入りやすいですが、そういった存在すら知らない外国人の方は災害に備えるのも一苦労です。ですが、現在日本には約288万人の外国人の方が暮らしています。もしものときに全ての人が命を守れるように、今後も英語での防災ワークショップを続けていきます。
こちらの講座は12月5日(日)にも同じ内容で開催予定です。
ぜひ日本が少し話せる、日本語は少し自信がないけれど英語だった大丈夫そうなご友人がいましたらお知らせください。
「外国人のための防災教室/ Household Disaster Preparedness Planning Workshop: Get Prepared for an Earthquake in Tokyo」
開催日:2021年12月5日(日曜日)
時間:10:00~12:00 やさしい日本語でのワークショップ(JLPT N3レベル)
14:00~16:00 英語でのワークショップ
会場:東京ウィメンズプラザ 会議室2 (最寄り駅:表参道駅、渋谷駅)
参加費:500円(資料・テキスト代)
お申込み:こちらから
お問い合わせ:一般社団法人ピースボート災害支援センター relief@pbv.or.jp
2022年1月にも同じワークショップの開催を予定しています。
※本事業は令和3年度 東京都在住外国人支援事業助成」対象事業です。
【英語版ご案内】
Disaster Preparedness Workshop for Foreign Residents to be Launched
Did you know that experts in Japan have warned us that the chances of a powerful earthquake striking Tokyo in the next 30 years could be as high as 70%?
Are you and your family prepared for such an event?
Peace Boat Disaster Relief (PBV) is organizing workshops for international residents in Tokyo to raise awareness and improve preparedness for the possible mega-quake in Japan. The workshops are open to the public and conducted in English and simplified Japanese (Yasashii Nihongo). During the workshop, participants will learn the basics of disaster preparedness, such as ways to prevent/mitigate risks at home, evacuation procedures and emergency stockpile.
PBV is a Tokyo-based non-profit organization specialized in disaster relief and disaster preparedness training. Since its foundation in 2011, more than 100,000 volunteers joined PBV to help disaster-affected communities in 54 areas across Japan. We have developed diverse disaster preparedness training programs based on our experiences in the field. More than 35,000 people have attended the PBV’s disaster preparedness workshops and lectures as of March 2021, and now we have added a workshop for non-Japanese speakers to our list of training programs.
Household Disaster Preparedness Planning Workshop: Get Prepared for an Earthquake in Tokyo
Date: Sunday, December 5th, 2021
Times: 10:00 – 12:00 session in Simplified Japanese (やさしいにほんご JLPT N3 level)
14:00 – 16:00 session in English
Place: Tokyo Women’s Plaza, Meeting Room 2, near Omotesando and Shibuya Station
Fee: 500 yen (for handouts and booklets)
Registration:
Inquiry: Peace Boat Disaster Relief relief@pbv.or.jp
This workshop is supported by The Tokyo Metropolitan Government for the fiscal year of 2021. The workshops will also be held in December 2021 and January 2022.