【2021年8月豪雨災害・佐賀】先遣レポート②:2年前の被災から得た教訓「みんなが駆けつけてくれる町にする」

佐賀県・大町町の町長と副町長に面会し、役場の避難所運営会議に参席してコロナ禍での避難所運営や炊き出し支援の受入れに関する事例を紹介しました。

大町町には、2年前の九州北部豪雨の際に、避難所運営支援や家屋清掃活動などを通じて知り合った住民や町役場職員の方々が多くいらっしゃいます。

町長と副町長も、「起きてしまったことは本当に悲しいけれど、2年前も大町町に来てくれたみなさんがまた来てくれて、会えて嬉しい。コロナ禍でなければ、握手どころか抱擁して喜びたいところだよ」と、当時を振り返りながら再会を喜び合いました。
浸水被害の状況は前回よりも大きく、2度にわたる被災で心身共にまいっている住民の声を多く聞きます。一方で、前回の被災経験から、発災後すぐに「自分だけでは復旧作業は手に負えないから助けてほしい」と声をあげてくれた住民もいました。町役場職員にとっては、住民の困りごとを早めの把握すること繋がったとお話されていました。家屋が被災した住民の中には、「自分で片づけるから大丈夫」と、周囲の手に頼らずに頑張って無理をし、体調を崩してしまう方も少なくないからです。

 

 

面会の中で副町長が、2年前の豪雨災害を教訓にして「災害につよい町づくりを目指して、さまざまな人達に上手に助けてもらう町、みんなが駆けつけてくれる町になろうという意気込みでやってきた」とお話されていました。被災地域の住民の方々の気持ちや状況に寄り添いながら、多様なボランティアやNPO・支援団体が協働し、自治体・社協・民間支援団体が三位一体となることで、より円滑でぬけやもれのない復旧・復興に向かっていくことができます。新型コロナの感染拡大が続くなかで、より外部の支援者を受け入れることが難しくなっています。そのような中で、被災地域の「受援力」を高めていくために尽力されている町の方々の気持ちや姿勢を、改めてきちんと心に留めておきたいと思いました。

また、大町町に複数開設された指定避難所の運営に関する会議にも出席しました。「避難住民の困りごとやニーズにどういった対応をしていくか」「食事や衛生用品などは過不足がないか」「ゴミ出しなどの環境整備がうまくいっているか」保健医療、食料、物資受入、衛生、支援の調整など役場職員や県職員、物資支援を行っている企業や支援団体がそれぞれの観点から話し合いました。PBVからも、とりわけ新型コロナの感染拡大防止の観点に留意した、避難所運営における工夫や炊き出し支援に関する過去事例を伝えました。特に、2020年7月豪雨災害で被災した熊本県球磨村や人吉市での支援活動の経験をもとに作成した『2020年7月豪雨災害 コロナ禍における避難所運営工夫事例10選』や、炊き出し支援を行う団体に向けたチェックリスト資料をご紹介しました。

 

 

連日、町の支援体制をどのように構築し、自治体と支援団体間でどういった協働をするかといった議論を続けています。引き続き、関係機関や支援団体と調整・連携し、いち早い復旧・復興のためにまい進していきます。

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