【モザンビーク】現地パートナーと共に、食糧と農業支援

アフリカ南東部を襲ったサイクロン・イダイの被災地では、深刻な食糧不足と農業への大きな被害がもたらされました。港町ベイラよりも内陸の地域では、もともと土地が低いこともあり、発災後1カ月以上経っても水が引いていません。そのため陸路の交通が困難になっており、住居の再建や農業の再開といったニーズへの対応がなかなか進んでいません。特にベイラの南側に位置するブジ(Buzi)地区では、サイクロン上陸時に2メートル近くまで水かさが上がり、住居や畑が軒並み流されてしまいました。ブジ地域の役所の建物には、大人の男性の身長を超える高さに、発災当時の水位がはっきりと残されていました。

 

屋根がとばされたブジの役所
男性の頭の高さまで浸水した跡が残っている

 

 

そのような状況の中で、ブジ地区の人々は、毎日の食事回数を減らすなどしてなんとか限られた食糧で日々を生き延びてきました。また、農地のほとんどが水に浸かってしまったため、中・長期的な食糧不足が懸念されています。ブジ地区のこのような状況を鑑み、PBVは、食糧配布と農業支援のプロジェクトを実施予定です。1世帯でも多くの人々に支援が届くよう、PBVでは現在、現地NGOと密に連絡を取り合いながら、一緒にプロジェクトの準備を進めています。

 

ブジの船着き場、陸路での移動が難しくなったため水路の重要性が高まっている

 

 

現地パートナーとしてPBVと一緒に活動するのは、Kulimaという1984年に設立されたNGOです。Kulimaは設立以来、モザンビーク各地で地域の人々を巻き込みながら貧困対策や生活改善に向けて、食糧や栄養、衛生管理や教育、人権など幅広い課題に取組んできました。また、2000-2001年にモザンビークで発生した洪水の際には地域を網羅するネットワークを活かしながら緊急支援活動を行うなど、地域に根差した活動実績を積んできました。今回のサイクロン被災地での支援活動にあたり、一時的な食糧配布だけでなく、今後のコミュニティの災害対策や持続可能な農業の実践なども視野に入れた支援ができるよう、意見交換を繰り返しながら、現在物資調達・運搬手段の手配などを行っています。

 

豆類を販売している市場の様子

 

被災地域コミュニティの人々が一日も早く日常を取り戻せるよう、PBVとKulimaでは、メイズやコメ、豆類といった日々の食事を支える食糧の配布のほか、農業の再開に向けた種子の配布、そして生産性の高い農業のためのワークショップの実施を予定しています。詳細については、後日改めてご紹介していきます。

 

モザンビークでの支援活動を実施するための緊急支援募金を募っています。
皆さまのご支援・ご協力お願いいたします。

 

 

◆モザンビーク サイクロン・イダイ 緊急支援募金