【北海道地震】 12月活動レポート

過去の災害の教訓から、被災地の仮設住宅を取り巻く環境も、ここ数年でさまざまな変化・改善が見られるようになりました。そのひとつが、仮設の集会所・談話室の設置です。

 

住家の被害数が多く、空きのある公営住宅や民間賃貸を利用する「みなし仮設」では対応が難しい場合、プレハブ型の仮設住宅が建設されます。一定数以上の世帯がまとまって生活する団地には談話室や集会所が併設され、コミュニティづくりの場として利用されます。北海道の被災地でも、3町に計8棟(厚真町×5、安平町×2、むかわ町×1)の談話室が建設されました。

 

談話室では、お茶会や食事会、カルチャー教室や体操教室など、入居者の生活やコミュニケーションを支えるイベントも始まっています。12月のPBVは、これらの仮設談話室に備品を揃える環境整備が活動の中心でした。

むかわ町の談話室でのイベント。NPOレスキュー・ストックヤードが主催し、 東日本大震災で仮設住宅を経験した宮城県の住民を招いた講習会。
安平町の談話室で食事会。地元のNPOココ・カラの協力も得て、「みんなでつくる」ちゃんちゃん焼き。
安平町の談話室。これからの暮らしやルールなど、ひとつずつ話し合って決まっていく。

 

仮設住宅も寒冷地での仕様で造られていますが、冬本番には-20℃にもなる地域での寒さ・凍結対策など、北海道庁や3町の行政、地元の商工会や店舗とも相談し、同じように北海道で活動するNPOや地元の皆さんにいろいろと教えてもらいながら、必要な家具や家電、寒さ対策のグッズを搬入しました。

談話室用の収納スペースが欲しいということで、物置を設置した日は大雪でした。
談話室のAEDは、今回国の災害救助法による備え付け適用外。それなら民間でと、PBVの支援事業で設置。
9月から続く北海道地震の支援者による情報共有会議。ここから生まれた連携・協働もたくさん。

 

また、仮設住宅に関する支援を進める一方、発災直後から関わってきた厚真町では、復興に向けたさまざまな取り組みにも参加させてもらいました。災害ボランティアセンターの運営を担ってきた厚真町社会福祉協議会では、仮設住宅の入居者や在宅避難者の見守りを続けていくため、生活支援相談員の活動を始めています。宮坂町長とのお話でも、防災教育や子育て支援などの人づくりを大切にしてきた厚真町らしい復興への抱負を伺うことができました。

厚真町の宮坂町長(中央)と、PBVの北海道支援担当スタッフ(左:合田、右:寺地)。

 

地震発生から数日後の9月に北海道入りしたときは、厚真町の地元の方々も、私たちPBVスタッフも目の前の対応に追われていて、先のことを話し合う機会はほとんどありませんでした。それから100日以上が経過し、さまざまな取り組みに参加するなかで、この1ヶ月はたくさんの笑顔や前向きな姿を目にすることができるようになりました。

厚真町役場、災害VC、高校生ボランティアなどが協力した支援物資の配布会。
在宅避難で厳しい生活が続く皆さんにも温かい食事を、とNPOと地元団体で企画した750食の豚汁の炊き出し。
厚真町は子育て支援にも力を入れている町。子どもたちが楽しめる機会も積極的に企画している。

 

1月2月の厚真町は、雪上3本引き(綱引き)大会、ランタン祭り、冬の花火大会など、冬ならではのイベントが目白押しの季節。災害による影響は残っていますが、寒さに負けず元気に復興を目指す厚真町を、これからも応援していきたいと思います。

※厚真町のイベントカレンダーは コチラ

 

 

 

※仮設談話室の環境整備をはじめ北海道地震への支援活動は、ジャパン・プラットフォームの助成事業の一環として実施しているほか、伊藤忠商事株式会社様、全国の皆様からのご提供いただいた物資やご寄付を活用させていただいています。ありがとうございます。