【大阪北部地震】見えづらい被害を見つめる

6月18日に発生した大阪北部地震の支援も微力ながら続けてきました。

地震発生以前から繋がりのある「おおさか災害支援ネットワーク(OSN)」のサポートを行いながら、各団体と連携し支援活動に取り組んできました。

 

大阪府では、約39,000棟の家屋被害があり、その9割以上が一部損壊の認定を受けました。全壊や半壊はまぬがれたもの、多数の家屋被害があり、「見えづらい被害」が懸念されていました。

 

 

「おおさか災害支援ネットワーク(OSN)」の話し合いの中で、熊本地震の経験から要支援者、特に障がい者へ情報が行き届いていないのではないかと意見が出されました。また、建設系の技術を持つ団体からは、一部損壊家屋で屋根瓦等の損害による雨漏り予防のニーズが多く住民から寄せられていることが共有されました。

そこで、高槻市災害ボランティアセンターの運営を行う高槻市社会福祉協議会や災害ボランティア学生協会(IVUSA)が実施していた、個宅訪問による住民ニーズ調査に同行する形で、PBVのボランティアも障がい者向けの案内チラシを配布させていただきました。

 

 

 

チラシは、阪神淡路大震災から被災障害者の支援を続けているゆめ風基金が作成し、相談内容ごとの連絡先や支援事業所の一覧が記載されています。

 

 

30℃を超えるなか、汗だくになりながら一軒一軒を回り、住民の声を拾っていきました。
お会いできた住民からは、

「ボランティアに手伝ってもらえるなんて知らなかった」
「り災証明書って出して意味があるの?」
「屋根の瓦がズレてないか確認してほしい」
「ケガをして2階に上がれないから、2階の状況を確認してほしい」

などの声が上がってきました。

 

 

そして、住民からもっとも多かったニーズは、破損やズレてしまった屋根瓦からの雨漏り防止です。破損やズレてしまった屋根瓦を放置してしまうと、雨漏りが原因でカビが発生したり、家屋の柱などを傷めてしまうことがあります。最悪の場合は建替えや大規模修繕が必要となり、さらに被災者の負担となってしまいます。本来であれば、瓦屋等の業者に依頼し丁寧な修繕が必要ですが、業者数も少なくすぐには対応できないため、応急的に屋根にブルーシートを張る作業が求められていました。

 

 

 

一方で、屋根の上は高所作業となるため、危険な作業を伴います。そのため、ブルーシート張りは建設系の技術を持つ団体が実施し、ボランティアは作業の準備や交通整理などのサポートを行いました。

 

7月28日に高槻市ボランティアセンターは閉所し、ボランティア・市民活動センターに相談業務を引き継いでいます。高槻市社協のボランティア・市民活動センターでは、ひとり暮らしの高齢者など、特にお困りの方には、個別にご相談にのっています。また、屋根のブルーシートを張りを行える技術系のボランティアは、引き続き募集してします。

 

今も尚、大阪の茨木市を中心にレスキューアシストが大阪に残り、現地支援を継続してブルーシート張りなどのテクニカルニーズを対応されていますが、屋根には上がらない地上からのサポートをするボランティアを募集されています。
ぜひボランティアの協力よろしくお願いします。
各地域の災害ボランティアセンターは、閉所や活動規模の縮小などとなっておりますが、継続して住民の困りごとに対応していくとの事です。今後とも住民の困りごとに対して、ボランティアの力は必要ですので、各社会福祉協議会の最新情報を元に協力願います。
・全国社会福祉協議会の大阪北部地震のホームページをご確認ください。

 

PBVとしては、大阪北部地震への支援活動は一旦終了しますが、今後とも大阪の被災地域にも関心を向け続けたいと思います。

 

ご協力いただいたボランティアの皆さん、支援団体や地元で受け入れ下さった皆さん、ありがとうございました。