死者・行方不明者42名。気象観測史上でも最大級の集中豪雨をもたらし、福岡県朝倉市・東峰村・大分県日田市と広範囲に被害を出した、豪雨災害から1年が経ちました。
改めて、犠牲になられた方々のご冥福をお祈り申し上げ、被災された皆さまにお見舞い申し上げます。また、現地でのボランティア活動や、個人、企業、団体など様々な方から多大なご支援とご協力をいただき、心から感謝申し上げます。
PBVでは、主に福岡県東峰村、朝倉市にて昨年の7月から12月末まで直接支援活動を行ってまいりました。今回は、災害発生後に支援者として被災地に入り、「JA筑前あさくら農業ボランティアセンター」の立ち上げに携わった後、現在でも活動を続けている川崎由香子さんからのレポートをお届けします。
被災地では、1年が経ち落ち着いた生活を取り戻している様に見えつつも、世間からの関心が薄れていくのとは反比例し、多様化するニーズや支援者の減少など、支援を必要としている気運はむしろ高まっているようにも感じます。
土砂出し作業に関しても、梅雨前に雨への不安から活動要請の声も再び増え、朝倉市災害ボランティアセンターの活動も一時に比べて活発になっています。家屋被害により応急仮設やみなし仮設へ長期避難を強いられ、バラバラになってしまったコミュニティ再生の活動へのかかわりも、地域の支援団体に期待されるようになっています。
また、今回の土砂災害によって最も被害を受けたのは、農業といっても過言ではありません。
朝倉市は、南部の筑後川沿いに広がる低平地から北東部に連なる山稜に向かって急激に立ち上がる地形を生かした様々なブランド作物がある農業地帯です。しかし、農業への課題は災害を起因とするものに限らず、災害前からある地域課題も多く存在していました。農業従事者の高齢化や減少、それに伴った農業産出額の減少などです。災害は、その地域が被災前から抱えている地域課題をより先鋭化させていきます。こういった状況の中、今後どのように復旧・復興事業に関わっていくのか。
支援者たちには、「いつまで、何を、どこまで活動するのか」といった判断を迫られています。
現在、活動を続けている地元の支援者は、今回の災害で立ち上がった団体ばかりです。過去の災害においての事例やノウハウは少なく、手探りの中で活動を続けています。ニーズが多様化し変化し続ける状況において、地元支援団体単独では、期待に応える事がだんだんと難しくなってきています。しかしながら、これらたくさんの地域の課題に、向き合って行かなければ地域の復旧・復興はありません。
今後は、もっと、行政、地域企業や住民を巻き込み、全国から集まった支援団のノウハウを使って、地域に根付き、地域の人と一緒に考えながら活動していく事が重要になってくると思います。
「被災者は次の支援者に」
豪雨被害で苦しんだ地域は、豪雨被害によって、これまで他方の災害に無関心であった人までが、お互いを思いやる一つのきっかけにもなっています。これまでご協力いただいた多くの方々に感謝しつつ、一日でも早い「復旧から復興へ」を目指し、これからも活動を続けていきます。まだまだ全国からの応援が必要です。これからも、ご協力よろしく願いします。
【こんな方法で被災地の応援ができます】
1. ボランティアに行く!
2. 支援団体に支援金を託す!
3. 被災地の産品を買う!
4. 被災地の情報をシェアする!
※下記に、活動を継続している団体や直接応援できるリンク先を掲載しました。
≪朝倉市≫
◇杷木復興支援ベースFacebook
※朝倉市は「災害派遣等従事車両証明書」の発行を2018年12月31日まで延長しました。
≪東峰村≫
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