【九州北部豪雨】現地レポート6 ~地元主体の取り組みを応援~ 

 

九州北部豪雨災害の発災から半年が経とうとしています。

 

多くの方が仮設住宅等で生活を送っており、まだまだ支援を必要とする方が大勢いらっしゃいます。PBVは、全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)への職員派遣という形で、「JA筑前あさくら農業ボランティアセンター」への支援を継続して行なっています。

 

福岡県朝倉市では、柿や梨といった果物や青ねぎなどの野菜が多く生産されており、県内有数の農業地域です。地域の復興には、この農作物の振興が欠かせません。「JA筑前あさくら農業ボランティアセンター」は、被災された農家への支援が不足する中、地元の農協であるJA筑前あさくらと朝倉市が主体となって立ち上がりました。

 

大量に土砂や瓦礫が流れ込んだ農地では、農作物の栽培が困難な状況になっています。土砂や瓦礫によって田畑の用排水の妨げになったり、果樹園では果樹の生育に悪影響があり一部立ち枯れも進んでいます。一度、枯れてしまうと再度収穫できるようになるまで、桃栗は3年、柿は8年、梨は15年もの時間がかかってしまいます。また、果樹園では重機が入れない場合も多いため、人の手による早急な支援が必要とされていました。

 

 

 

 

このような状況のなかで、JA筑前あさくら農業ボランティアセンターでは、営農の再開を望む果樹農家を中心にボランティアによる泥出しや瓦礫の撤去等の活動を行なっています。

 

農業を営む人にとって、農地は自分の命ほどに大切なものです。生業としてだけでなく、生きがいそのものでもあります。農業を諦めざるを得ないと思っていた農家にとって、農地を一生懸命綺麗にしているボランティアの姿は心の支えとなっています。綺麗になった農地や、ボランティア活動の姿を見て、「もう一度頑張ろう」と言ってくれる農家も多く、活動の意味を考える良いきっかけとなりました。

 

他にも地域住民が主体となり、さまざまな取り組みが始められています。
朝倉市にある「杷木復興支援ベース」では、地元住民が立ち上げた支援団体と経験豊富な外部支援団体がお互いに協力し合いながら家屋の清掃や、農業ボランティア等の活動を杷木地区を中心に展開しています。

 

 

 

大分県日田市でも地元主体の支援団体が立ち上がっています。
「ひちくボランティアセンター」は、常駐の外部支援団体はおらず、日々の運営は地域住民が主体となって行なわれています。日田へ移住した人や地域おこし協力隊の人、地元が被災したと聞き帰ってきた人、被災したにも関わらず支援活動を行なう住民など、様々な人が関わっていました。

 

 

 

緊急期を乗り越えて外部支援団体から地元組織へと支援の担い手が移っていく中で、少しでも地元の力になれるように取り組んでいる住民の姿勢に力強さを感じました。地域のために何ができるのか、どんな地域にしていきたいかを考えながら、自分が出来ること、得意なことを活かして一歩ずつ前に進んでいます。

 

さまざまな住民や支援者と出会い、それぞれの支援の形に触れることができました。地域を知り、寄り添うことの大切さを再確認しました。一人ひとりの力は小さくても、それらが集まり連鎖することで、地域にとって大きな力になることを改めて実感することができました。

 

九州北部豪雨発災から6ヶ月。現地ではまだまだ支援の手が必要とされています。支援の方法は現地に行くだけではありません。引き続き、皆さまのあたたかいご支援・ご協力をお願い致します。
■JA筑前あさくら農業ボランティアセンター
FB https://www.facebook.com/JAasakuraVC/

■JA筑前あさくら志縁プロジェクト (西日本新聞)
HP https://www.nishinippon.co.jp/hanbai/2017/12/post-8.shtml

■杷木復興支援ベース
HP https://hakibase.wixsite.com/mysite
FB https://www.facebook.com/hakibase/

■日田市ひちくボランティアセンター
HP https://hichikuvc.wixsite.com/hivolu
FB https://www.facebook.com/hivolu/

 

 

【九州北部豪雨 緊急支援募金】
PBVでは、引き続き「九州北部豪雨 緊急支援募金」を募集しています。 募金は、九州北部豪雨の被災地・被災者の生活再建や地域再建の活動に活用させて頂きます。 ご協力お願いいたします。
https://pbv.or.jp/donate/2017kyusyu