2017年3月11日。
今日で、東日本大震災から6年を迎えます。
2011年、宮城県石巻市・女川町、で支援を続けながら思っていたことがあります。この震災から学び、次の災害の被害を最小限にするということ。「減災」です。
ボランティアの力を借りて被災地・被災者への支援を行う私たちには、より多くのボランティアが参加できる仕組みをつくり、一人ひとりの活動効果を最大限にすること、そのための人材育成をすることが、「減災」への中心的な取り組みだと思いました。
2011年11月に、「災害ボランティア・リーダートレーニング」を始めました。その後、2012年9月に「災害ボランティア入門」などのメニューも追加し、全国各地で研修を実施してきました。その研修を受けた人たちが、昨年の熊本地震をはじめ、多くの支援現場に駆けつけてくれました。
「ボランティア元年」と呼ばれた阪神・淡路大震災から22年、いまや災害ボランティアは被災地の復旧・復興に欠かせない存在になりました。ただ、少子高齢化による担い手の減少という大きな課題に直面しているのも事実です。
もっとたくさんの人に、災害ボランティアの活動を伝えるために、これまでの現場での活動をまとめた『災害ボランティア入門』(合同出版)を刊行することにしました。執筆にあたり、何度も途中で筆を止めることになりました。どこかで災害が発生したからです。一度、現場に入り込んで支援を始めると、数週間・数ヶ月は現場を優先させることになりました。
ただ最後までこの本をまとめる作業の後押しをしてくれたのは、同じように被災地での災害救援を行っている団体や個人のボランティア、被災した住民のみなさんから教えてもらったことを伝えていく義務があると思ったからです。そして、きっとこの本を手にとってくれた人が、次の災害で誰かを支える側になってくれると思ったからです。
東日本大震災から6年。津波や原発事故の被害を受けた地域では、まだ「復興」はこれからです。そのことにきちんと向き合うとともに、苦しいときにはいつでも国境を越えて人と人が支えあえる、そんな社会を作り出すことが東北で犠牲になった多くの尊い命に応えることだと思います。災害に強く、何度でも立ち向かい、立ち上がっていける社会を目指して、これからも皆さんとともに進んでいきたいと思います。