災害ボランティア・トレーニングに続く防災・減災教育プログラムのメニューとして、2014年4月に始めた「わが家の災害対応ワークショップ」の受講者が3,000人を越えました。現時点での開催回数はちょうど100回。出張場所は、全国34の地域に上ります。
※3,000人目、11月27日に石川県で行った会でした。
「わが家の災害対応ワークショップ」は、災害が発生してから72時間を生き延びるための備えや対策を学ぶワークショップ。自分が暮らす地域の防災マップ(ハザードマップや避難所のマップ等)を持参し、一人暮らしや家族と同居、一軒屋やマンションなどの各家庭・地域の特徴に合わせて、自分なりの災害対応をカスタマイズできるところがユニークな点です。
ワークショップに参加するのは、大体がどなたかお一人なので、家に帰ってから同居者と学んだこと、「わが家」に必要な対策を話し合ってもらうようにお願いしています。受講後にアンケートの記入をお願いしていますが、そこでは同居するご家族やルームメイトの人数も聞いています。平均は2.9人。受講者が3,000人なので、2.9倍して約8,700人を対象にしてきたと言えるかもしれません。
このワークショップを作るきっかけは、実はプロボノの皆さんに災害ボランティア・トレーニングの普及を相談したこと。企業CSRによる社員ボランティアや学校・クラス・サークルなど、グループ単位で被災地のボランティアに参加する動きを後押ししたいと考えていた頃でした。
いくつかの企業への聞き取り調査を行ったところ、「社員ボランティアの派遣の前に、従業員やその家族の身を守れるかどうかが心配」「本業を抱えながらの社員研修として3時間のメニューは時間が長い」「防災に関するハンドブックを配ったりはしているが、一方的な情報提供なのでどの程度読んでいるかは不明」などの意見がありました。
災害ボランティア・トレーニングの前に、まず自分や家族の身を守るという内容でテキストもある、かつ時間的に受講しやすい90分間の講習にしようと決め、そこから数ヶ月をかけて開発を進めました。他人事ではなく「わがコト」として考えてもらえるよう、シートへの記入やクイズなどを取り入れる工夫もしました。
東京や大阪では定期的に一般参加者の募集をしているほか、全国各地からの講師派遣依頼に応じて企業や町内会、学校などに出張を続けています。
また、受講者のなかから希望があれば、自分自身でワークショップを開催できるように講師の育成(約5時間のプログラム)にも取り組んでいます。先日も、以前に福岡在住の講師養成を行った男性が、ご自身が暮らすマンションの住民向けに自主的にワークショップを行ったとレポートをもらったところです。
今年9月からは、日本語ができなかったり、日本の防災・減災の知識や経験がない外国人に向けた英語のテキストも完成し、大使館職員や外資系企業、インターナショナル・スクールの学生向けなどのワークショップにも取り組み始めました。
受講者のアンケートでは、
「あっという間の1時間半でした。きちんと見直す、予想してみるとやるべきことに次々と気が付きます。家族とシェアしたいと思います(40代女性、会社員)」
「何を備えればいいのか、どんな備えができていないのかを具体的に気付くことができるワークショップでした。とても助かる情報でした(20-30代女性/英国)」
など、具体的に“わが家”の課題を見つけることができたというコメントをたくさんいただいています。
なかには、
「(受講)翌日に震度5弱の地震があったけど、昨日学んでから家族で話し合った後だったので、落ち着いて対応できました(10代男性、中学生)」
などのちょっとドキッとさせられるけれど、嬉しい声もありました。
次回の「わが家の災害対応ワークショップ」は、1月28日に東京で、2月4日に大阪で一般参加者の募集を行っています。また、引き続き全国各地への講師派遣・出張の依頼も受け付けています。ご参加・お問い合わせをお待ちしています。
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