「ピースボートセンターいしのまき」が独立します

 

東日本大震災で被災された方々にあらためてお見舞い申し上げると共に、亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。

 

2011年3月11日から5年。

 

5年前、東日本大震災の甚大な被害状況を受けて、「国際NGOピースボート」の災害支援部門が独立し、災害支援を専門とした「一般社団法人 ピースボート災害ボランティアセンター(PBV)」を設立しました。

 

この5年間のPBVの歩みは、石巻と共に歩んできたと言っても過言ではありません。被災地に想いを馳せたのべ8万人ものボランテイアが、支援活動に携わり、石巻の皆さんも暖かく受け止めて下さいました。

 

通常、災害支援では緊急・復旧支援に関わり、ある程度の目処が立つと、その後は地元の団体等にバトンを渡し活動を終息させていきます。石巻では、その被害の大きさに圧倒されながら、息の長い活動を心に決めて活動を継続してきました。被災地の課題が移り変わっていく中で、その支援内容もその都度悩みながら変化させてきました。被災された方の生活が再建されるまでには、まだ多くの時間が必要とされ、震災前からの課題であった人口減少や担い手の不足、産業の衰退なども顕在化してきています。災害支援という文脈を越え、長期的な視野に立った生活再建や地域活性化、産業振興などが望まれます。

 

そこで、災害支援をテーマとするPBVは石巻での活動を一旦終了し、後継団体として地元に根ざして地域課題に取り組む新団体、「一般社団法人 ピースボートセンターいしのまき」を設立することにいたしました。

 

5年の歳月で、東北での活動の他にもPBVは団体としての活動を多様化させてきました。国内外の災害発生時の緊急支援活動を中心に、災害ボランティア育成や防災教育プログラムの実施。市民防災世界会議を始めとする防災・減災の取り組みなどを展開してきました。これからも被災地への支援や被害の予防・軽減に繋がる活動を実施しながら、新団体を通じて、引き続き東北のサポートを行っていきます。

 

私達を受け入れて下さった石巻の皆さん、ボランティア活動に携わった皆さん、様々な形で支援活動を支えて下さった皆さんに、改めて感謝申し上げます。

そして、新しく地元の方々と小さな一歩を踏み出す「一般社団法人 ピースボートセンターいしのまき」を、共に支えていただけますようお願い申し上げます。

 

2016年3月11日
一般社団法人 ピースボート災害ボランティアセンター
代表理事 山本隆

 

 


 

 

豊かな海が育んできた、港町「石巻」。

 

津波によって甚大な被害を受けた石巻は、歴史的に海と共に暮らし、その恵を受けながら魅力ある土地として発展してきました。

 

世界に誇る三陸沖は、多種多様な海産物が水揚げされる貴重な漁場でもあります。各所に点在する漁村では、海と向き合い質の高い漁業を営む昔からのコミュニティがあります。また、中心市街地には100年も続く老舗の料理屋があります。何より、そのコミュニティでは一度受け入れてもらえると家族のような関係が築かれていきます。災害支援をきっかけに、石巻に関わった人の中にはこの土地に魅了され、移り住んだり定期的に訪問している方々が生まれてきました。

 

一方で、東日本大震災を契機に人口流出や少子高齢化、担い手の不足による地域産業の衰退といった地域課題が加速度を増して深刻化しています。

 

私たちは、これまでのPBVの経験を元に、これらの地域課題に取り組む団体として「一般社団法人 ピースボートセンターいしのまき」を設立します。支援する-支援されるという関係から、共に課題に向き合う地域の一員として、地元登記の団体として、地域住民と自治体、各NPO、ボランティア等と協働・協力し、それらの課題の解消、緩和に資する活動を展開していきます。

 

特に、石巻圏内の漁業・水産業の担い手の創出、六次産業化を推進していくために交流人口の増加、移住定住の促進に取り組んでいきます。微力ながら、石巻圏域の魅力を伝え、地域に住む人々、そして関わりをもった全ての人々が、それぞれの場所で誇りを持って生きていけるような取り組みを細く長く続けてまります。

 

スタッフ3名から始まる小さな団体ですが、皆さんと共に一歩一歩進んで行きたいと思います。これからも、皆さんのご支援とご協力、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

 

2016年3月11日
一般社団法人 ピースボートセンターいしのまき
代表理事 山元崇央

 

 

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新団体、「一般社団法人 ピースボートセンターいしのまき」の設立にあたって、第一歩を踏み出すためにご寄付を受け付けております。何卒、ご支援、ご協力をお願い申し上げます。