報告が遅くなってしまいましたが、10月1日、明治38(1905)年創業の老舗・マルト高橋徳治商店(以下、マルト高橋商店)の操業開始を祝う「火入れ式」に参加してきました!
震災時、かまぼこ製造を行っているマルト高橋商店には7メートルの津波被害に遭い、泥が20cmほど積もったそうです。
操業中止を余儀なくされていた工場は、高橋社長の中心として、少しずつヘドロを出して地道に再開へ向けて、作業をされていました。泥だしや清掃活動には、生活組合や取引先の従業員の方々も多く参加しました。
ピースボートのボランティアも8月中旬からクリーン作業を開始しました。食品を扱う工場なので、配管や側溝などの細かい部分まで綺麗にしなければなりません。
殺菌の為に、水拭きをし、塩素で拭き、また水で拭く作業を繰り返します。工場の天井は高く、根気のいる作業となりました。
丁寧かつ急ピッチに作業を続け、火入れ式前日に、なんとかクリーン作業を終わらせることができました。
火入れ式には、全国各地から消費者の方や取引先の方など約50人が応援に駆けつけ、工場内には全国から寄せられたメッセージや手紙も張り出されました。長年、無添加で良質な練り物製品を生産し続けてきた、高徳商店への信頼と期待が込められていました。
神事があり、これからの発展を祈願する浦安の舞が披露されました。
高橋社長からの挨拶
「(火入れ式を行って)絶やすことなく絶対に消すことなく、もっと大きな思いの火に広げます。それが、これから私たちが歩いていく支えになるでしょう。」
そこからメインイベント! 機械へ点火!
震災後、約200日ぶりに製造ラインに火を入れて、
独自の人気商品「おとうふ揚げ」の製造開始!
美味しそうに揚がりました!
火入れ式の出席者に、揚げたての「おとうふ揚げ」が振る舞われました。しっかりとした歯ごたえのお豆腐と表現できない程の想いが詰まっている「おとうふ揚げ」第一号を美味しく噛みしめました。
出来上がった後の従業員さんの笑顔がとっても素敵でした。
火入れ式が終わって、高橋社長(写真左)は「まだ実感はないけど、少しずつ嬉しくなっていくんだろうね」と仰ってました。
ピースボートボランティアのアキさん(写真右)は一ヶ月以上この高徳商店のクリーン作業に入っていました。
「私たちの手でピカピカにした機械に火が入った瞬間は、言葉にできない想いと共にこの日が迎えることが出来て本当に幸せだ」と、とても嬉しそうに語っていました。
この火入れの火が大きくなって、石巻を暖めてくれることを祈ります。
photo: Shoichi Suzuki