PBVは昨年12月にパリにて開催されたCOP21会議 (国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)に参加してきました。この会議では、195国のリーダー達が集まり、気候変動への対策として新しい取り決めを成立させました。
今回の取り決めは歴史的な出来事でした。すべての国の合意に基いて、2020年以降の新しい地球温暖化対策の枠組みが作られ、この会議で成立された「パリ協定」は、京都議定書と同じく、法的拘束力の持つ強い協定として合意されました。
先進国も途上国も含め、全ての国が参加する史上初めての温暖化対策の国際ルールとなります。これから、世界が協力して、温暖効果ガス(二酸化炭素など)を排出する石炭や石油などの化石燃料に頼らな持続可能ない社会を目指していくことなります。
以前から多くの科学者たちが、気候変動は自然災害のリスクを高めると警笛を鳴らし続けています。温暖化に象徴される気候変動は、地球の雨量や気温・水温、水面の水位など多くの環境の変化をもたらします。これらによって世界各地で、強い台風、ハリケーン、サイクロンや集中豪雨、干ばつ、熱波などの異常気象が威力を強めたり、数が増加している可能性があるといわれています。
日本も気候変動の影響を受けると考えられています。残念なことですが、日本では、毎年夏には、台風・土砂崩れ・洪水など様々な被害を受ける地域があります。日本は世界で最も自然災害のリスクが高い国なのです。環境省によると、日本の平均気温は100年以内に2℃から3℃上昇すると予測されています。と言う事は、日本はさらに深刻な台風や洪水などのような自然災害の危機に直面するリスクが高まります。
世界的にも、今後も災害に強い社会作りが重要になってきます。今回の国際会議開催期間中に、国際NGO・YMCAと共に防災に関するプログラムを開催しました。
「若者と防災」というテーマでワークショップを行い、気候変動と自然災害の関係や防災に関する若者の役割に焦点をあてました。タンザニア、ノルウェー、フランス等、たくさんの国籍の方々に参加していただきました。ディスカッションを通して出身国の自然災害の事例や災害支援の経験をグループ内で共有しました。 今後、自然災害に立ちむかうことができる強靭な社会構造を作る方法を共に考えました。
COP21会議では、世界中のリーダー達が気候変動を対応するアクションを起こす事、温室効果ガスを減らす事、そして持続可能な発展を達成する経済を作る事を決意しました。
気候変動は、グローバールの課題でありますが、私たち一人ひとりのライフスタイルの問題でもあります。社会のエネルギーを賄うために大量の石油を使用する私たちの暮らしは、地球温暖化を含めた気候変動に影響を与え、またその影響によって暮らしている地域が自然災害に見舞われるリスクを高めるという悪循環があります。
自然災害に強い社会を作ると共に、社会を支えるエネルギーの種類や使い方を考えることが大切になってきます。
PBVでは、今後災害に強い社会をつくりながら気候変動への対応に貢献していきます。
■気候変動条約とは
国連のもと、大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させることを究極の目的とし、地球温暖化がもたらすさまざまな悪影響を防止するための国際的な枠組みを定めた条約。締約国数は、2015年7月現在、195か国・機関。「気候変動に関する国際連合枠組条約(UNFCCC:United Nations Framework Convention on Climate Change)」として1994年3月に発効したもの。温室効果ガスの排出・吸収の目録(インベントリ)、温暖化対策の国別計画の策定等を締約国の義務とし、地球温暖化対策に世界全体で取り組んでいくために、同条約に基づき、1995年から毎年、気候変動枠組条約締約国会議(COP)が開催されています。引用:全国地球温暖化防止推進センター(JCCCA)