【バヌアツ・サイクロン】 緊急支援のその後

 

今年3月に発生した、巨大サイクロン・パムが太平洋諸島のバヌアツ共和国に大きな被害をもたらしてから約5ヶ月が経過しました。

 

サイクロン・パムは、5段階で評価される勢力で最強レベルの「カテゴリー5」に達し、バヌアツ共和国の首都ポートビラでは最大瞬間風速が約85メートルを記録しました。2013年にフィリピンで7千人以上の死者・行方不明者を出した台風30号(ハイエン)に匹敵するほど、激しい暴風雨でした。

 

このサイクロン被害で、約16万人以上が被災しました。人的な被害は比較的少なかったものの、多くの家屋が倒壊し、農作物には壊滅的な被害が出ました。

 

【バヌアツ・サイクロン】 災害救援調査に、スタッフが現地入り

【バヌアツ・サイクロン】 現地調査レポート

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首都のエファテ島の北に位置し、約660世帯2500人が住むトンゴア島では、幸いにも人命に被害がありませんでしたが、約9割の家屋が損傷または倒壊してしまいました。また、元々自給自足の生活をしていた島民は、主食となるタロイモなどの農作物が壊滅的な被害受け、厳しい状況にありました。

 

新しく種を蒔くにしても、畑には瓦礫が散乱している状態でした。また、作物を植えたとしても、畑を囲んでいた柵がなくなってしまったために、家畜や野生動物が食い荒らしてしまう懸念がありました。

これらのトンゴア島の状況を、食料部門を担う国連のクラスターミーティングにも報告を行いました。同じような懸念を持っていた、オーストラリアの国際協力NGO「Act for Peace」と対応策を検討しました。
自給自足に近い生活を行っていた島民が、まずは畑を使えるようになれば、自活して生活していくことができます。そこで、住民達が作物を育てられるようサポートすることが、重要だと考えました。

 

PBVとしては広く離島部でコミュニティ支援を行っていた「Act for Peace」に資金提供を行い、畑を守る資材の購入に当てました。畑の柵作りは「Act for Peace」や現地団体の「VCC(バヌアツ・クリスチャン協会」と地元住民共に行って頂きました。

現地パートナーと共に、トンゴア島に住む500世帯以上の家族に釘や策を作るための金網等、必要な道具や物を提供する事ができました。

柵の完成した畑から、作物の種付けなどが行われ、コミュニテイの中での食料が確保できるようになります。

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[写真提供:Act for Peace]

 

今回の、PBVとしてはバヌアツでのサイクロン被害に対する緊急支援は、現地団体に引き継ぐ形で一旦終了し今後の経過を見守っていきます。

 
ご支援、ご協力ありがとうございました。