このオフィシャルブログでは、久しぶりに石巻の話題です。
※「ピースボートセンターいしのまき」のWebサイトでは、定期的に情報発信しています。 コチラ
まずは、石巻の嬉しいニュースから。
5月30日、仙台と石巻を結ぶJR仙石線。
東日本大震災から4年余りをかけて全線開通しました!
これまでは迂回・乗り継ぎをしたり、バスを使っていましたが、これで私たちPBVスタッフにとっても石巻にやってくるボランティアにとっても、ようやく日常の「足」が戻ってきたことになります。
さて、今日の本題は、
被災した浜の漁業支援を受け継いだ「イマ、ココ プロジェクト。」の最近の取り組みから。
浜ごとに種類は違いますが、秋~冬にかけては牡蠣や海苔(のり)、冬~春にかけてはワカメ、春~夏にかけてはホヤなどの収穫・出荷の作業を行ない、その前後で種付けや網の修繕などもやらなくてはいけないので、季節によって様々なお手伝いを必要としています。
また、震災前に育てていた養殖がほとんど流され供給できない時期が続いたこと、浜を離れる若い担い手もあること、風評による影響などの原因が重なり合って、過去の販路も一緒に失ってしまった漁師さんもたくさんいます。三陸沖の漁業・水産業の再生は、収穫量を取り戻すだけではなく、担い手を見つけること、販路を開拓することにも合わせて取り組んでいく必要があります。
そういった事情から、「イマ、ココ プロジェクト。」では、単に漁師とボランティアの浜での交流・体験プログラムを提供するだけでなく、各地のイベントに出かけていって物産展を行なったり、ECサイト「のんびるマルシェ de net」の開発・運営に携わったりと、新しい展開にもチャレンジしています。
先週末は、仙台で開催された「モンベルフレンドフェア2015」にブース出展。
株式会社モンベルには、「災害ボランティア・トレーニング」にご協力いただいているご縁もあり、2013年から災害支援活動や防災・減災教育に関するブース出展をさせていただいていましたが、今回は新たに「イマ、ココ プロジェクト。」の紹介とワカメや海苔の販売も行ないました。
また、「イマ、ココ プロジェクト。」の参加ボランティアの学生たちは、地元に戻ってから自分にできることをと、自主的に学園祭などでブースを出して販売してくれてもいます。嬉しいですね。
武蔵野大学の学生たちも、学園祭で「塩蔵ワカメ」や「とろろ昆布」を販売。完売!(2014年10月)
学生ボランティア団体「Youth for 3.11」のメンバーは、埼玉大学の学園祭で牡蠣とホタテを販売(2014年11月)
もちろん、石巻最大のお祭り「石巻川開き祭り」でも。写真は、「ほやほや学会」による新作『ほやティーヤ』の実演販売(写真は2014年8月)。
石巻での“復興”は、人によって、地域によってスピードの差があります。漁師や住民の皆さんと「一緒に」と心がけて活動していても、失敗したり、すぐには思うような結果が出ないこともあります。誰もが納得する「これが正解」を持ち合わせている人なんていないので、それで当然なのかもしれません。
だからこそ、何度も何度もチャレンジを続けて、一つずつできることを探っているんだと思います。5年目を迎えた石巻での活動にも、ぜひ継続してご支援・ご協力をお願いします。そして、仙石線も開通した石巻に、ぜひ久しぶりにても、初めてでも足を運んでほしいと思います。