【バヌアツ・サイクロン】 現地調査レポート

 

大型サイクロン「パム」の甚大な被害を受けたバヌアツ共和国で3月23日からPBVスタッフが現地調査を行っています。現地から調査の進捗報告が届きました。

 

首 都のポートビラには、多くの国際機関や国際NGOが集まって支援活動を実施しています。PBVスタッフも国連関係者や国際支援団体、JPFとその加盟団体 とも情報交換を行いました。首都ポートビラでは倒壊した建物は残されているものの、復旧作業が進み水道電気は回復し、道路も開通しました。スーパーマー ケットの商品の品揃えは戻ってきており、レストランもオープンしています。しかし、水質の劣化に伴い、下痢の症状を訴える人が増えており、衛生状態の悪化 が今後も懸念されています。

 

各島への支援物資の輸送も行われるようになりだしました。離島部の島によっては、中央部に届く情報に差があり支援の届く量や質に濃淡があるようです。その離島部の被害状況や支援ニーズを把握必要があると判断し、離島部での調査活動も行いました。

まず、離島の一つであるトンゴア島に向かいました。トンゴア島は、首都のあるエファテ島の北に位置し約660世帯2500人が住んでいます。

トンゴア島選出の国会議員の協力のもと、地元警察官の協力を得て島内の視察を行い、地元のリーダー達とも意見交換をしました。

 

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サ イクロンによって、全ての世帯が被害を受け、農作物にも壊滅的な被害がありました。約9割の家屋が損傷または倒壊しています。また、多数の水源が汚染され ました。幸いなことに人的被害は、ありませんでした。サイクロン被害直後には、ほとんど支援が到着せず、10日後にようやく水や食料が到着しました。

島民は、元々自給自足の生活をしていましたが、農作物の壊滅的な被害により島民は食料の危機状態にあます。なるべく早く農作物の植え替えを行うのが最も重要な課題となっています。しかし、作物が育つには3~4ヶ月かかるため、現在は残された食料や支援物資に頼っています。

 

被 害を受けた畑の復旧が早急に必要なのですが、散乱した瓦礫が復旧作業を難しくしています。また、家畜小屋の柵が崩壊したため、家畜が被害を逃れた作物を食 べてしい、現在の食糧事情を悪化させる被害が出ています。作物の種などの支援は届いていますが、その植え付け作業の前に畑に散乱している瓦礫の片付けや不 足している農具、家畜を留めて置くための柵を必要としています。

 

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この現状を、PBVの協力団体であるの国際NGOの「Act for peace(オーストラリア)」に相談したところ、「Act for peace」によって家畜小屋の柵の再建と農地の復旧作業を進める為のプログラムを早急に実施こととなりました。

また、トンゴア島では東日本大震災の支援でも協力頂いた「アメリケアーズ(米国)」が緊急医療支援を行っていました。

 

今後、PBVとしては倒壊家屋の再建支援を含め、現地事情に照らし合わせた支援プロジェクトを計画していきます。皆さまのご協力をお願いします。

 

 

 

■バヌアツ・サイクロン(パム)緊急支援募金

募金のご協力もよろしくお願い致します。詳しくは、コチラから。