長野県神城断層地震 活動レポート

PBVでは11月22日に発生した長野県神城断層地震へ対し、11月25日に先遣スタッフを派遣し現地調査を行ないました。地元の関係機関や災害支援の広域ネットークである「震災がつなぐ全国ネットワーク」との協議を行なった結果、長野県白馬村への支援を決定しました。

 

12月1日よりスタッフ1名を派遣し、地震によって家屋への損傷が大きく、現地の白馬村災害ボランティアセンターでは対応が難しいケースを中心に、建築の専門家や被災地での経験が豊富な団体や個人のボランティア方との協働チームをつくり対応に当たりました。

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今回ボランティアの主な活動は被災家屋からの貴重品や生活用品の運び出しです。今回の共同チームでは、応急危険度判定が実施された後、「赤紙」「黄紙」という、家屋内に入る事が危険、または要注意といった家屋へ対して、専門家による補強作業を行い活動を実施します。この様なテクニカルなニーズに対しては行政や区長さん、現場の業者の方等との多様な連携・調整が必要になるので、慎重な活動となりました。

※応急危険度判定は、大地震により被災した建築物を調査し、その後に発生する余震などによる倒壊の危険性や外壁・窓ガラスの落下、付属設備の転倒などの危険性を判定することにより、人命にかかわる二次的災害を防止することを目的としています。(応急危険度判定協議会HPより)

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活動中には避難所の長期化や、細かな課題は見え隠れするものの、震災から少し時間が経った頃には。気持ちは一旦落ち着いてきたという方も出てきたりと、改めて白馬村の地域コミュニティの強さと重要性を感じました。

12月に入ると白馬村では雪が降り始めました。スキー場が多くあるこの地域では、雪が一度積もってしまうとなかなか解ける事はありません。時間との戦いに もなります。特に被害が大きかった地区では連日、様々な機関が災害対応にあたっていました。私たちNGO・NPO側も、先ずは雪が積もるまでの間に一軒で も多く支援が出来るよう活動を行ないました。

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12月の中旬に差し掛かると、活動内容も変化していきました。毎年1m近くの積雪がある中で、被災家屋がどこまで耐えられるのかというのが大きな課題に直面しました。必要な家財を家から出したいという声から、雪対策の為に建物の簡易的な補強や、ブルーシートを壊れた窓や玄関等に張って欲しいというような内容が多くなりました。

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「出来れば来春に物を取り出したい」
「倒れるのは仕方ないけど、近隣の建物側に倒れると迷惑かけて申し訳ない」
といった声に対して、絶対の保証までは出来ないものの、出来る限りの手を尽くして応急処置を続けていきました。

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今回は主にテクニカルチームのサポートする形で、チームと住民の方や災害ボランティアセンター、災害対策本部、解体の業者さん等々との橋渡し役を行ないました。
作業の最終日にはボランティアセンターの方との意見交換会を行い、今回の協力体制の振り返りから、過去の事例から今後どういう事が懸念されるのか等を話し合いました。また、活動履歴をまとめ、白馬村災害ボランティアセンターに提出して今回の活動は終了となります。

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今回も様々な方々に助けられ、活動を実施する事が出来ました。
ありがとうございました!

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この活動は「震災がつなぐ全国ネットワーク」からの助成と、東京海上日動火災保険株式会社「Shere Happiness倶楽部」の寄付にて実施されています。