東日本大震災時の宮城県石巻で避難所や地域のリーダー役となって尽力された方々への聞き取り調査をもとに作成した冊子『石巻市民から学ぶ!!支援を活かす地域力』。完成してから100名以上の方たちの手元に届けることができました。
冊子を読んだ方からの反響もあり、冊子を元にしたワークショップ開催を希望する声も上がってきています。
今回は、岩手県大船渡市でコミュニティFM「ねまらいん」を運営されている(特活)防災・市民メディア推進協議会から要望を受け、職員さんを対象に「支援を活かす地域力ワークショップ」を実施しました。
事前の打ち合わせで「災害」の基礎的な知識を改めて学びたいという希望があったため、第一部では、「災害」の種類やどのような状況になると災害になるのか、発災した際に各関係機関がどのような動きをするのか、などを取り上げました。
続く第二部では、グループに分かれて冊子の中に出てくる石巻での事例をもとに自分たちならどのような対応をとるのか、について具体的に考えました。
例えば、発災後重要となる“情報共有”のパートでは、「商店街の一角に集まって自宅避難している住民同士の情報交換の場が設けられることになりました。災害から3日後ということもあり、ウワサやデマと思われる情報も流れています。地域の住民同士で必要な情報を的確に共有するためには、どのような工夫が考えられますか?」というものです。
参加者からは、「情報の出所を確認する」や「言葉の使い方に気をつける」などの意見が聞かれました。
テレビやラジオなどで普段であれば意識しなくとも入ってくる様々な情報ですが、災害時にはそれらが機能しないことも考えられます。そういった中で、地域の人たちがそれぞれに持っているネットワークからもたらされる情報は貴重です。しかし、共有の仕方を一歩間違えば、大きな混乱を招きかねません。
石巻市のある商店街でリーダー役を担った方は、市役所など公の機関から出された情報とそうでない情報を分け、共有する時には情報の出所を明らかにする“枕詞”をつけていました。(具体的な工夫例は、ぜひ冊子でご確認ください!!)
他にも、支援物資に関する事例や災害ボランティアにかかわる事例などを取り上げ、その対応策について話し合いました。
今回ワークショップを開催した防災・市民メディア推進協議会は、平常時には「コミュニティFM」として地域の情報を発信していますが、災害発生時には「さいがいFM」として地域に根ざしたきめ細かい被災状況や行政、支援情報を発信する重要な役割を担うことになります。
(※さいがいFM = 臨時災害放送局「暴風、豪雨、洪水、地震、大規模な火事その他による災害が発生した場合に、その被害を軽減するために役立つこと」を目的とする放送局。)
そこで第三部では、災害発生時にその地域で暮らす人たちにとって必要となるであろう情報を入手し、「さいがいFM」として発信しやすい環境を築くために平常時にどのような個人・団体・企業・機関と連携を深めておくとよいかについて考えました。
まずは、大船渡にはどのような関係機関や団体があるのか、災害発生時にそれらの方々のもとにはどのような情報が集まってくることが考えられるかを洗い出しました。
次に、各組織や団体、個人と平常にどのような形でつながりを築くことができるのかについてアイディアを出しあいました。
今回は、「情報」をキーワードに内容を作った「支援を活かす地域力ワークショップ」ですが、受講される方々の希望に合わせてスポットをあてる内容を変えながら、今後も精力的に実施していきたいと思っています。
ワークショップの開催を検討してみたい!と思ってくださった方は、ぜひ気軽に一度お問い合わせください。全国各地に、お伺いさせていただきます。
詳しくは、こちら。