【2025年フィリピン台風】現地より支援活動レポート

ピースボート災害支援センター(PBV)では、昨年11月に台風26号(フォンウォン)が上陸し、大きな被害を受けたフィリピン中部に位置するカタンドゥアネス島にスタッフを派遣し、被災コミュニティの支援活動を実施しました。

現地パートナー団体 People’s Disaster Risk Reduction Network, Inc. (PDRRN)とともに、カタンドゥアネス島北部に位置するコミュニティに対してこれまでに衛生用品や日用品のセットを209世帯に配布しました。現在は家屋の修繕、仮設の住まいの設置、水衛生施設の修繕・整備を進めています。

このカタンドゥアネス島では、台風被害後もたびたび風水害に見舞われ、数か月経ってもインフラの復旧作業が続いています。度重なる風水害の影響で、島内では洪水や土砂崩れで道路状況が悪化し、支援の実施にも困難がありました。

不便な生活が長引くなか、PBVとPDRRNは現在も引き続き支援をおこなっています。

 

気温30度越えのなか、連日の復旧作業

4月後半には日本からスタッフ2名が訪問し、現地の調査や進捗確認、提携団体や行政関係者との打合せなどを実施しました。

PBVの支援するコミュニティは島の中心地から約2時間ほど離れた場所に位置しています。まとまった雨が降るたびに土砂崩れが発生したり、泥によるスリップ事故が起きて道路が通行止めになるなど、アクセスが困難な地域です。

島内には、台風や大雨による土砂崩れで崩落した箇所も多く残ります

物資の配布に当たっては、大きなトラックを避けて小回りの利く小さめのトラックで運搬したり、漁船で運搬したりと、工夫を重ねて安全かつ確実に物資を届けています。

陸路での移動が困難な地域へは、漁船に乗り移動します
支援物資(水環境の整備)
日用品などの物資支援

被災から約6か月が経った現在。カタンドゥアネス島北部の38世帯から成る仮住まいの集落の中では、小さな雑貨店の営業が再開したり、魚や調理済み食品を売るお店があったりと、活気を取り戻しつつあります。

現地では、ようやく乾季に入り、連日30度近い気温が続いています。そんな暑い気候のなかで、水衛生施設の整備や、家が流されてしまった人々の仮住まいの設置、家屋周辺の整備が続けられています。

コミュニティスペースを基礎から建てました
建設後のコミュニティスペース
仮住まいに設置する浄化槽(トイレの水を処理する装置)の工事

 

欠かせないのは、地域の人々とのコミュニケーション

フィリピンにおけるPBVの協力団体であるPeople’s Disaster Risk Reduction Network, Inc. (PDRRN)は、カタンドゥアネス島に支部を置いています。

このカタンドゥアネス島は、前年2024年10~11月にも6つの台風被害に見舞われ大きな被害が発生し、PBVとPDRRNは漁業コミュニティの支援を実施しました(2024年フィリピン台風支援のレポートはこちら)。1年経って再び大きな台風被害に見舞われ、雨季のたびに生活環境に不安を抱える人々も少なくありません。

支援を進める上で不可欠なことは、被災地に暮らす人々とのコミュニケーションはもちろん、村役場をはじめとした行政機関への情報共有や、より良い支援に向けた各担当者との意見交換です。

PDRRNのスタッフと打合せ(PDRRNオフィスにて)

PBVスタッフは今回の滞在で、前日に訪問した沿岸部での仮住まいの家屋の設置の進捗や、水衛生施設の改善と家屋修繕を進めるうえでの課題、住民さんの声などを伝えるため、町役場を訪問しました。町役場では、町長室、防災課、保健衛生課、土木課など、被災地域の支援に関わる様々な部署から担当者が集まり、一日も早く被災した人々が安全と安心を取り戻せるよう、課題解決に向けた行政とNGOとの役割分担を確認し、具体的な計画について話し合いを行いました。

​町役場の職員からは日本からの支援への感謝の言葉をいただくとともに、「ぜひ日本の皆さんに観光客としても島に来てほしい」との声をいただきました。

太平洋に面した小さなカタンドゥアネス島は、自然災害がたびたび発生する地域である一方で、サーフスポットや自然保護区、おいしい海の幸など、魅力の多い地域です。町役場の方々との意見交換を通じて、観光を通じた復興支援への可能性も感じることができました。

島の広さは1,511〜1,550km²。なだらかな丘陵地帯で、ココヤシの栽培でも知られています
100段以上ある階段を上ると360度パノラマの絶景が広がります

安心できる暮らしのために──ご支援のお願い

今回の現地訪問では、ご寄付をいただいた方々のことを現地の皆さんにもお伝えしました。いただいたご支援を確かに手渡し、被災された方々の生活の助けや笑顔になっていることを実感し、あらためて支援の心強さを感じています。

今後もPBVでは、PDRRNを通じて現地の行政、住民の皆さんと調整を進めながら、カタンドゥアネス島にて被災コミュニティの人々が安心できる暮らしを取り戻せるよう、支援活動を続けてます。

現地の方々は、相次ぐ自然災害に見舞われながらも、生まれ育った地域で生活を続けています。
彼らに寄り添い、安心と安全を届ける支援をPDRRNとともにこれからもおこなっていきます。

町役場の方々と、PDRRNのスタッフとともに

今後とも、度重なる困難に立ち向かう人々へ、温かいご支援・ご協力をどうぞよろしくお願いします。

※皆さまからのご寄付は、被災地のニーズに合わせて、緊急支援活動や生活再建、コミュニティ再建などに大切に活用させていただきます。なお、現地では被害の全容把握が進められている段階にあるため、状況に応じて活動内容を変更する場合があります。

 

photo・movie:People’s Disaster Risk Reduction Network(PDRRN)、PBV