<後編>ウクライナへの大規模な攻撃開始から3年

ウクライナ国内での医療支援事業を準備中です

 

 

2022年2月に始まったウクライナ全土への攻撃は、3年が過ぎようとしている今も続いています。

 

PBVは2022年3月に現地にスタッフを派遣。支援調整を行い、ウクライナの隣国・ルーマニアの4つのNGOを通じて、ウクライナ各地への食料や医薬品の配布、ルーマニアに暮らす避難民の生活支援、法的支援、そしてがん患者の支援を実施してきました。

 

いつ終わるか分からない戦争によって、家族や住まい、故郷を失った人々は今もウクライナ国内、そして国外で厳しい生活を強いられています。

 

 

2022年当時、パートナー団体の代表の言っていた「(この人道支援は)短距離走ではなく、マラソンだ」という言葉が今も思い出されます。

 

戦争により子どもを含む多くの市民が負傷する中、多くの病院も破壊されています。そのため、受け入れ病院の数も提供できるサービスも慢性的に不足する状況が続いています。こうした中、ウクライナ西部の都市リビウは、ウクライナ各地から戦火を逃れてきた国内避難民(IDP)の主な受け入れ地域となっており、人道支援のハブの機能を担っています。

 

この3年間で多くの市民がリビウに避難し、2022年1月に約72万人だった市の人口は約100万人へと急増し、IDPの数は約15万人といわれています。こうした多くの避難民の医療を支えるため、リビウでは市を挙げて総合病院や小児病院など複数の病院、義肢の製作工房、リハビリテーションセンター、療養棟などを維持・拡充させるUNBROKENプロジェクトを実施しています。このプロジェクトは、多くの子どもを含む戦争で負傷した人々、そして戦争により故郷では医療サービスを受けられなくなった人々に、途切れることなく治療・療養の場を提供しています。

 

現地でリハビリに関わる医師からの「患者の急増により、物資も資金も技術も全てが不足しています。どのような支援でもありがたいです」との声を受け、現在PBVはUNBROKENを現地パートナーとする医療支援プロジェクトの実施を計画しています。詳細が確定次第、追ってご報告いたします。

UNBROKEN ウェブサイト

 

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