熊本県の人吉市社会福祉協議会からの支援要請を受け、スタッフ2名を派遣し人吉市災害ボランティアセンター(災害VC)の運営支援を開始しています。人吉市社会福祉協議会や災害NGO結と現状や今後の役割分担等を話し合い、ニーズ調査などの活動を行っています。7月の災害から半年が経過しましたが、今でも避難生活を送っている住民さんや、在宅避難をしているけれど、元のような暮らしを取り戻せていない住民さんがいます。住民さんの困りごと聞きながら、少しでも生活が改善されるように支援を続けています。
発災後に怪我をしてしまい、長い間家に帰ることができなかった住民さんは、変わり果てた自分の家を見て呆然としていました。当時は家の2階に避難をし、なんとか命が助かりました、ボランティアの方と一緒に清掃活動を行い、アルバムを見つけました。住民さんにお返しすると、「懐かしいわ。これは大事に持って帰るわ」と嬉しそうに話されていました。
別のお宅では、側溝に泥が詰まったままだから泥出しをお願いできないかという要望がありました。実際に行ってみると、長さ70m程の側溝に、泥が20㎝程詰まっていました。役場にも相談したそうですが、私道なので対応ができないとのことで、災害VCを訪ねてきたそうです。「また雨が降ったら、水があふれてしまうんじゃないかと心配で。雨が降る度にドキドキしてるんです。」と顔をこわばらせていました。
「ボランティアで作業に入らせてもらいますね」とお伝えすると、ホッと安心した表情になりました。
人吉市災害VCでは、県内の方々を中心にボランティアの受け入れも行っています。住民さんの困りごとに対応できるように、社協の職員さんと話し合いながら、ボランティアの派遣をしています。寒さが厳しい中、またコロナ禍であるにも関わらず、多くのボランティアの方が清掃活動などに協力してくれています。2021年は1月16日より受け入れを開始しますので、ぜひ近隣にお住いの方は、ご協力をお願いします。
(ボランティアに関する情報は人吉市社協のFBをご覧ください。)
また住民さんが集える場を整えようと地域の集会所への備品提供も行ってきました。12月中旬には、人吉市鬼木仮設団地と川上記念球場仮設団地の仮設集会所(みんなの家)への備品納入を最後に6市町村、22箇所への納品がすべて終わりました。寄贈した備品は、パルシステム生活協同組合連合会およびジャパン・プラットフォームからの助成金により提供させていただきました。12月13日(日)には、鬼木仮設団地で最後の鍵渡しのセレモニーが行われたそうです。(「最後に完成の仮設、入居始まる 熊本豪雨で県整備」熊日新聞 2020/12/12)
最低気温が氷点下の日が続いている人吉。九州では雪が降るような寒さが続いています。常駐しているスタッフの拠点も寒さ対策として、梱包材を貼る作業をしました。スタッフ自身も、こんなにも温かくなるのかと身をもって体感しました。
少しずつ各避難所も閉所へと向かい、支援のフェーズは次の段階へと変わっています。避難所から出たからといって、そこで支援の手が途切れてしまっては意味がありません。住民さんが穏やかな生活を取り戻せるように、引き続き住民さんの想いに寄り添った支援を続けていきます。
◆2020年7月豪雨災害 新型コロナウイルス×被災地 緊急支援募金