9月10日に発生した大雨によって、茨城県常総市では鬼怒川の堤防が決壊し10,000軒以上の家屋に浸水の被害が出ました。水田の多くある地域では、用水路からも水が溢れ出し、市内で浸水した地域は40平方キロメートルに及びます。農作物への被害も深刻で、収穫間近だった稲穂が広範囲に渡ってなぎ倒され、壊滅的な被害を受けました。避難所では、未だに900人以上の方が避難生活を強いられています。PBVでは、地元社会福祉協議会が運営する「常総市災害ボランティアセンター」の運営サポートを行いながら、地元のNPOや、支援団体と連携しながら被災者への支援活動を行っています。
■生活を再建するには、家屋の清掃に人手が必要!!
常総市の浸水した地域の多くは、既に排水の作業を終えています。しかし、街なかを歩いていると埃っぽさに気づきます。乾いた泥の影響で埃が立ち上がり、マスクが手放せません。避難所に寝泊りしながら、浸水被害にあった家の片付けに通う住民の方も多くいらっしゃいます。水に浸かってしまった家財を仕分けし、家の外に出す作業が続いていますが、ゴミの集積場所が不足している問題もあり、家の前に積み上げておかざる負えない光景も見受けられます。
災害ボランティアセンターには連日、家財の運び出しや清掃の手伝いを求めて、多くのニーズが集まってきており、一軒一軒ボランティアがグループを組み一緒に清掃の作業を行っています。
大型連休であったシルバーウィークには、毎日3,000名以上のボランティアが作業を手伝いました。PBVでは、連休中は大勢のボランティア参加が見込まれたため、一般のボランティア募集は行いませんでした。それでも、東日本大震災の体験から宮城県石巻から少しでも力になりたいと漁師グループが、繁忙期直前にも関わらず現地に駆けつけ、防災意識の高い企業が参加している「民間防災および被災地支援ネットワーク(CVN)」から企業ボランティアのみなさんが清掃活動に参加しました。
大型連休が終わり、ボランティアの数は激減しています。まだ、多くの住民の要望が残っており、対応に追われています。家の清掃が終了すれば避難所から自宅に戻ることのできる住民も沢山いらっしやいます。なるべく早い復旧が望まれています。当面は、清掃活動を担えるボランティアの手が、一人でも、二人でも必要になります。
そこで、PBVでは、どなたでも参加がしやすい「日帰りボランティア」と、現場作業や運営サポート、炊き出し配布など一週間以上で活動できる「長期活動ボランティア」の募集を開始しました。
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■支援を繋げる縁の下、災害ボランティア運営サポート
常総市は、関東・東北豪雨災害の被災地の中で、最も被害が大きかったため、県外からの支援団体も多く集結しました。常総市災害ボランティアセンターにも、様々な地域から社会福祉協議会の応援職員が集い、センター運営を支えています。住民の要望を受け止め、ボランティアの力を最大限活かせるかは、このセンター運営にかかっています。
地域に根ざした活動をしてきた社会福祉協議会や地元NPOとそれぞれ得意分野を持つ支援団体とがお互いの強みを活かすためには、連絡調整や情報共有が欠かせません。毎日夕方には、「茨城NPOセンターコモンズ」を中心に支援団体間の連絡調整会議が開かれています。
また、災害ボランティアセンターには、住民たちからの要望やボランティア参加に関する問合せの他の、センターでは対応していない特別な支援の申し出も沢山あります。そのようなご好意を、できる限り被災された方への支援に繋げられているように、情報の集約と調整なども、「茨城NPOセンターコモンズ」を中心に、各支援団体と協力しながら行っています。なかなか、表には見えづらい取り組みですが、被災地支援の中でも重要な仕事の一つです。
支援活動を実施するために、引き続き募金を募集しております。
ご協力、お願い致します。
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