国連防災世界会議に向けて [その5] 国連特別代表からのメッセージ

「第3回国連防災世界会議 in 仙台」まで、あと50日を切りました。

国連で、この会議を準備するのが「UNISDR(国連国際防災戦略事務局)」。
今日は、そのトップであるマルガレータ・ワレストロム特別代表から、日本の市民の皆さんにいただいたメッセージを紹介します。

 

※メッセージは、昨年10月の来日に合わせて行った、「2015防災世界会議日本CSOネットワーク(JCC2015)」との会談時に撮影したものです。

 

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日本の市民団体の皆様、こんにちは。

2015年3月に仙台で行われる第三回国連防災世界会議の準備を控えている今、この会議の意義について少しお話をさせていただきたいと思います。

日常災害は、日本だけでなく世界中で起きています。人々の貴重な財産が多く犠牲になっています。そして、人々の尊い命だけでなく、将来の可能性、ひいては国家の発展までもが犠牲になっています。

今回の政府間会合は、国連が各国政府だけでなく、市民社会、科学機関、企業組織などと協力しながら実施します。今後何十年先まで影響力のある、防災の最新戦略を決める場となります。災害が常に変化している現在だからこそ、非常に大切な決断となるでしょう。

市民の皆様には、会議への出席もさることながら、準備過程への参画も是非お願いしたいと思います。そして、社会に対して自分の考え方や意見を共有していただきたいのです。私達が作ろうとしている新しい防災枠組みには、市民団体だけでなく、社会全体、つまりコミュニティを構成する一人ひとりの参加が不可欠なのです。

準備の過程に携わることも大切ですが、実は会議後の政策実施やフォローアップに向けた取り込みもお願いしたいのです。なぜなら市民社会の参画が極めて重要だからです。また、2015年に開催される国連防災世界会議での決議は、時期的にも、持続可能な開発指針に大きく寄与する可能性を秘めています。防災と開発が別々の分野で話されるのではなく、実はとても密接に繋がっているのだという認識を持って取り組んでいただきたいと思います。

最後に、気候変動への適応にも同様の態度で臨んでください。開発目標を達成するためには、防災と気候変動への適応が非常に大きな役割を担っていると思います。私たち市民社会と防災関係者は一丸となり、来たる2015年の全てのイベントを通してこの大切なメッセージを伝える義務があると思います。

以上3つの分野のなかでは、3月に実施される防災世界会議が一番早いタイミングに行われるもので私たちの防災分野での決定はその後の会議にも大きくメッセージを発信できるでしょう。私たちの努力と創造力で、2015年にはより良い持続可能な世界を形成するためのイメージができると信じています。仙台で皆様とお会いできることを楽しみにしております。

ありがとうございました。

 

マルガレータ・ワルストロム国連事務総長特別代表(防災担当)