大阪府北部を中心とした地震発生から一週間が経とうとしています。
この度の地震でお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災されたすべての皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
PBVでは地震発生を受け、日頃からつながりのある地元団体や、協力組織のスタッフ安否確認と状況確認、支援ニーズ把握のための情報収集に、6月19日より先遣スタッフ3名を現地に派遣し、被害の大きかった高槻市、茨木市、枚方市の各災害ボランティアセンターや避難所の様子を中心に調査を行いました。
また、平時から顔の見える関係を築いてきた「おおさか災害支援ネットワーク(OSN)」とも連携し状況確認に努めました。
その中で見えてきた大きな課題は、以下の5つがあげられます。
1、地震によってズレた屋根瓦の修理や、雨漏り対応のため、ブルーシートなどによる応急処置の依頼が多いが対応が追いついていない
2、ボランティアや行政による支援情報が住民に伝わっていない
3、地震の記憶や余震の不安による精神的な負担が生じている
4、障がい者や外国人、高齢者など要援護者や要配慮者への情報提供が追いついていない
5、被災した住民だけでなく、地域で災害対応をしている職員の疲労が溜まってきている
なかでも、各災害ボランティアセンターにあがってくる困りごとの多くが、雨に不安をいだく住民さんの屋根瓦へのブルーシート張りです。高所での危険な作業となるため一般のボランティアでは対応しきれず、自衛隊や地元業者、または専門技術を持つボランティア団体の協力も得ながら、対応が行われています。しかし、ひとつの市でも100件以上の要請あり対応が追いついていません。
地震で屋根が壊れ、ブルーシートで覆われた家屋
一方で、転倒した家具の移動や、割れた食器やガラスの片付けなどのニーズに対しては、災害ボランティアセンターに日々集まる、大阪府内のボランティアや地元NPO、大学生などの協力により素早く対応がされていました。
災害ボランティアセンターの運営も、立ち上げ時の混乱はあったかと思いますが、近隣の社会福祉協議会による応援や、平時から取り組んでいる民生委員やケアマネージャーなど力も借りながら対応され、社会福祉協議会がもつ地域とのつながりの強さが活きて見えました。
避難所等に避難している住民はいまだに多いですが、地震直後からは落ち着いてきており、ライフラインであるガスの復旧(復旧目処は6月25日の予定)や、余震の不安が解消されることによって少しずつ自宅に戻ることが出来ると思われます。
障がい者や外国人、高齢者などへの対応も、地元NPOや大学、国際交流協会が中心となって不安解消やニーズ把握の為の情報提供が実施・検討されるなど動きが出て来ています。
これらの状況から、PBVとしては大阪府内外の支援者ネットワークとの情報共有は継続しますが、スタッフを現地へ派遣しての調査を一旦終了し、今後時間の経過とともに新たな課題や必要な支援が発生した際には、速やかに応援に駆け付けられるよう、体勢を整えておきたいと思います。
今後の余震はもちろん、災害関連死などの被害が出ないことを心から願っています。
現地情報や応援メッセージをくださったみなさま、本当にありがとうございます。PBVとしての調査は一旦終えますが、被災した地域ではまだまだ課題が山積しています。また復旧・復興への中長期的なサポートは必ず必要となってきます。
引き続き、被災地・被災者へのご支援ご協力のほど、よろしくお願いいたします。
以下、現在募集を行っている災害ボランティアセンターや支援団体の情報です。
災害ボランティアセンターについては「市民在住者限定」で募集をかけている地域などもありますので、募集要項をご確認の上、サポートしていただけましたら幸いです。
▼大阪ボランティア協会 【大阪北部地震で被害にあわれた方に想いを寄せる方へ】より
http://www.osakavol.org/01/saigaibousai/osaka18.html