【フィリピン台風】 活動レポート vol.4

災害救援を行っているフィリピン中部ビリラン州(島)からのレポートが届きました。この間、東京事務局とも衛星携帯を使って連絡は続けていましたが、インターネット環境がなく写真の送受信が今日になってしまいました。では、ビリラン島での生活再建プロジェクトの様子をご覧ください。

 

前回のブログでご紹介しましたが、ビリラン島は台風30号(国際名:Haiyan、フィリピン名:Yolanda)被害を受けたものの、国連を含めた国際支援から取り残されてしまった地域。住民の方々は、ブルーシートやココナッツの葉などで壊れた家の補修を試みたりはしていますが、それでも雨風を十分に凌ぐことができなかったり、そういった材料自体も全員が手にできるわけではありません。

 

「生活再建支援」にも様々なステージがありますが、まず生活する住環境があってのこと。現時点では、予定しているキッチン用品の提供の前に、主に全壊・大規模損壊の被害を受けた家々に、新しい家を建てるための材料を配布しています。

PBVが現在、フィリピンの団体「PDRRN」や国際NGO「CWS-Asia/Pacific」と生活再建プロジェクトを行うのは、ビリラン島南部の3つのバランガイ(村)。プロジェクトを実施するには、州政府やバランガイ、そしてDSWD(Department of Social welfare and Development)という省庁の地域事務所との協力関係、役割分担の確認が必要です。


ビリラン州の州知事(左)と、プロジェクト実施に関する覚書きを交わすPDRRN代表のEsteban Masagca氏(通称:Bongさん)。ピナツボ火山の噴火をきっかけにPDRN(現在はPDRRN)を立ち上げ、災害救援や防災・減災に取り組んでいます。

 

実施が決まると、今後はバランガイごとに、支援する側のNGOと受け入れる地元住民で実行委員メンバーを組織します。プロジェクト終了まで、このメンバー同士が、目的やイメージ、スケジュール、役割分担を共有しておくことが大事になります。


PBVからは、東北の皆さんからの後押しもあって支援に来たことなど、東日本大震災を経験した日本からの気持ちも共有しました。

 

大まかなスケジュールが立つと、事前に受け取った支援先リストを参考に、各世帯を回ってのインタビューや確認作業。障害があったり高齢者だけの世帯など、建物の損壊状況だけでない支援対象者を見つけることも目的です。


最終的な支援先リストが完成するとチケットを準備。事前に渡して、配布当日に持参してもらいます。

 

 

こういった事前準備を複数のバランガイで同時に進める間は、スタッフも島に残っての生活です。外部から人が訪ねてくることも珍しい地域なので宿泊場所も限られていますが、ご好意で現地パートナーのお宅を間借りさせていただいています。

雨季が終わり、日中はよく晴れます。通信環境だけでなく、電気も一部ジェネレーターを使っての発電なので、衛星携帯やカメラなどの電池は、日中ソーラー発電で確保していました(今回の支援にあたって、アウトドアメーカー「モンベル」からご提供いただいています)。

 

そして、Batoというバランガイで家屋修繕セット配布当日。この日は、事前にチケットを渡した64世帯の方々が集まってきました。

 

配布したのは、GIシートと呼ばれるトタンやブリキ板、接着剤、釘、ワイヤーなど。会場で説明が続いている間、プロジェクト実行委員のメンバーや住民ボランティアで会場横まで運びます。


配布がスムーズに進むように、釘などは一つひとつ袋に小分け。

 

下の写真は、それらの材料を使っての家の建て方を説明したもの。この辺りでは、多くの人が自力で、また近隣の住民が協力して家を建ててしまいますが、来年以降の台風に向けて少しでも頑丈な造りにしてもらおうと、配布時に説明を加えています。これは、CWS、PDRRNやPBVが、災害救援だけでなく、防災・減災にも取り組んでいるが故の一つのこだわりでもあります。

 

 

年明けは、1月3日から動き出し、Burabod、Busaliなどのバランガイでの同様の配布、そしてキッチン用品の配布プロジェクトも平行して行っていく予定です。また、募金が十分に集まれば、近隣のバランガイにも支援を広げたいと思っています。引き続き、ご支援・ご協力のほど、よろしくお願いします。

● フィリピン台風災害救援募金は コチラ