【イベント報告】 スキルアップ講習「ジェンダーと多様性の視点を育てる」

11月21日、災害ボランティア・トレーニングのスキルアップ講習を行いました。
これは、「災害ボランティア入門」や「リーダートレーニング」の受講者や災害ボランティア経験者を対象に、毎回テーマを変えてレベルアップを目指す講習で、今回は「災害時のジェンダーと多様性」を学びました。

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今回のスキルアップ講習は、西日本・関西で初開催だったこともあり、いつも東京でのイベントになりがちな緊急支援の報告も組み込んだプログラム。まずは、今年4月から三度に渡ってスタッフを派遣したネパール地震への緊急支援について。
*11月18日に東京で行った報告会は、Ustreamのアーカイブでご覧いただけます。 コチラ

また、栃木・宮城・茨城と移動しながら活動を続けてきた東北・関東豪雨へのPBVの対応についての報告。先日まで、常総市災害ボランティアセンター・水海道サテライトの運営リーダーを担当した東野から、現場の様子やボランティアの活動内容などをお話しました。どちらの支援活動も、全国各地で募金にご協力いただいた活動。こうやって関西でも報告会を持ち、活動の成果や課題を直接伝えていくことの大切さを改めて感じる機会にもなりました。

 

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続いてのプログラムは、講師に浅野幸子さん(減災と男女共同参画 研修推進センター)をお招きして、今回のテーマである「災害時のジェンダーと多様性」を考えるワークショップへ。導入としてご紹介いただいたのは、阪神・淡路大震災や東日本大震災で「災害時要援護者」が直面した困難について。「病気や障がいの大きさによっては医療や福祉の専門家がケアすべき対応ですが、その手前の予備軍の人たちは地域やボランティアこそが支えていくべき」との言葉が印象的でした。

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浅野さんによる導入の解説後には、グループに分かれてのワークショップ。

まずは、「クロスロード」と呼ばれるカードゲーム。防災教育として頻繁に使われる素材ですが、今回は「災害時の多様性編」として、東日本大震災やその後の風水害などの現場で実際にあった事例から、新たに作ったカードばかり。女性、子ども、親、高齢者、障がい者、旅行者、外国人など、立場によって災害時に見えている風景が違うことへの想像力を養うきっかけになりました。

*使用した「クロスロード~多様性編~」の一部は、今後の「リーダートレーニング」でもカリキュラムに取り入れていく予定です。

午後のワークショップは、人道支援の国際基準「スフィア・スタンダード」の考え方を応用しながら、「ボランティア」「暴力と安全」というふたつのシュミレーションにおける解決方法を話し合うグループワーク。支援者は、本人の意思とは関係なくとも、被災者より強い権力を持ってしまう立場。より弱い立場の声を上手く汲み取って活動に活かしていくためのヒントを考える時間になりました。

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この他、アルファ米や長期保存のおかず、火を使わず食事を暖めることができる防災グッズなどを使ったランチの時間や、災害体験ツアーができる阿倍野防災センターでのプログラム、そして関西での忘年会を兼ねた懇親会など、盛りだくさんの一日となりました。

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スキルアップ講習の受講者の皆さん、協力してくださった皆様、
本当にありがとうございました!

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