【熊本地震】 震災から1年、現地からの声

 

熊本地震から1年が経ちました。

未だに多くの方たちが、仮住まいを続けていますが、少しづつ復旧・復興への取り組みが進んでいます。

今回は、災害支援連携の重要な役割を担った地元中間支援組織の特定非営利活動法人 「NPOくまもと」の理事・樋口務さんからコメントを寄せていただきました。樋口さんは、行政や各支援団体の連絡調整を行ってきたくまもと災害ボランティア団体ネットワークの共同代表でもあります。

 

 

 

 

Q:現在の被災地/被災者の様子をお聞かせください。

発災から1年を迎えた熊本県内では、未だ4万人近い方が応急仮設住宅、みなし仮設住宅での仮住まいを続けています。また、被災者の孤立も顕在化しており応急仮設住宅での孤独死も確認され、住民同士の疎遠を防止するためにも自治会組織の結成と住民間での相互安否の強化が求められています。そのために、仮設住宅のコミュニティ形成とみなし仮設入居者の交流、県外避難者への情報提供が必要と捉えています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Q:NPOくまもとは、現在、どのような活動を主に行っていますか?

行政機関との連携の充実を図るため、熊本県、熊本市、熊本県社会福祉協議会、熊本市社会福祉協議会、NPOからなる合同連携会議を隔週で開催し、被災者が抱える課題に対して行政の対処方針とNPOから得られる現場の課題の共有と解決策を協議しています。また、平時から災害ボランティアの共同体としての相互扶助関係を構築するために「くまもと災害ボランティア団体ネットワーク」を設立しましたが、4月には法人格を取得しました。

 

 

Q:地元の中間支援団体として、どのように外部支援団体と連携しましたか?

発災直後から運営してきたNPO等の情報共有会議「熊本地震・支援団体火の国会議」(通称火の国会議)も毎週開催しています。現在では地元中心となりましたが概ね10団体程度が恒常的に参加しており、被災地域や被災者の情報共有だけでなく、新たな課題解決の糸口も議論する場となりました。県外からの支援団体もピーク時には200近くありましたが、現在では約40団体と少なくなってきましたので、地元の支援団体の継続的な活動と団体間の連携を促すために、市町村単位での連携組織(会議体)の再構築を行っています。

 

 

Q:最後に、支援活動に関わった方たちへのメッセージをお願いします。

全国から熊本の地へ支援に駆け付けてくださった全ての皆様に改めて感謝申し上げます。今回の震災では、失ったものもあれば得たものもありました。被災地では確実に復旧・復興が進んでいますが、初動時からの皆様の支援が無ければ今の状態にはなっていなかったと思います。また、未曾有の災害を経験し改めて「民のチカラ」を強く感じました。今後も地元のボランティアやNPO等が一体感を持ち、力を合わせ全力で取り組んで参りますので、より一層のご指導と御助言を賜りましようお願い申し上げます。