石巻川開き祭りレポート Vol.3

「おいっさ!おいっさ!」

川開き祭り2日目の8月1日、立町大通りの商店街には、威勢のいい掛け声が飛び交っていました。「復興神輿」と名づけられたこ御神輿は、よく見ると縄やブイなどの漁具、空き缶など廃材でできています。石巻でともに活動するNPO法人「オンザロード」のメンバーが中心となって作ったもので、この日は、ボランティアも、地元の方も一体となって担ぎました。

この立町大通りは、2m以上の津波が入り、立ち並ぶ商店の1階部分はヘドロに覆われていました。この4ヵ月半、何度もボランティアが泥かきに出かけた場所。汗だくになって御神輿をかつぐ中に、長く現場で支援に関わるスタッフ、何度もここに足を運んだボランティアなど、震災直後の商店街の姿を知る顔ぶれもあります。再開したお店の前を通ると、店主の方々が手を振り、大きな声援をかけてくれます。

4月、寿町の「廣山」前。奥が立町大通り。下は、当時の様子。   (photo:Yoshinori Ueno)

震災から4ヵ月半、ヘドロや壊れた家財道具が山積みだった通りが、パレードを開催できるほどに片付き、活気を取り戻しつつあります。

パレードには、東京ディズニーランドからミッキーとミニーも。アンパンマンショーなど含め、子どもたちは大喜び!もちろん、地元の踊りも披露されます。

 

一方こちらは、石巻市役所の横にある「にぎわい交流広場」。
石巻災害復興支援協議会に加盟する団体がブースを開き、お祭りに来た地元の方々と積極的にコミュニケーションを図ります。

これまで目まぐるしく作業に当たってきたボランティアの若者たちとゆっくり話がしたいと、ピースボートのブースにもたくさんの方が足を運んでくださいました。

ピースボートからも、これまで温かく受け入れていただいたことへの感謝の気持ちに変えて、世界中からの応援メッセージとインドのお人形さん(このふたつは後日改めて紹介)、ミュージシャンのSUGIZOさん経由でご提供いただいた「LUNA SEAうちわ」などをお渡ししました。

広場のメインステージでは、この川開き祭りの主催である石巻商工会議所の会長、石巻市長からは、継続したボランティア活動への謝辞とともに、「ボランティアのエネルギーに負けないよう石巻も頑張ります!」との力強いお言葉。

音楽ライブや地元の子どもたちによるパフォーマンスも繰り広げられます。
日高見太鼓や吹奏楽の演奏、KGDRのメンバーをはじめ応援に駆け付けたアーティストによる代表曲の数々も披露されます。演歌の大御所・石川さゆりさんの登場には、石巻の皆さんも大興奮でした!
ちなみに司会は、なぜか石川さゆりさんと同じポーズの福島カツシゲさん。すっかりピースボートのボランティアリーダーとしてすっかり定着してきました。

川開き祭りの開催に当たっては、もちろん複雑な想いの方もいらっしゃったことと思います。それでも、この日行われたパレードやステージで感じたのは、地元の方々もボランティアも一緒に汗だくになり、一緒に涙し、一緒に笑えたということ。この4ヵ月半、よそ者だった僕たちと地元の方々の距離がぐっと縮まったような気がします。

石巻の皆様、まだまだたくさんのボランティアがお世話になると思いますが、これからもどうぞよろしくお願いします。