水を通そう!-側溝作業の活動レポート-

今日は最近のボランティア作業のメイン活動の一つ「側溝清掃」の様子をお届けします

被災から4ヶ月が過ぎようとしている今、ピースボートのボランティア作業も多様化してきていることは、本ブログでもお伝えしていますし、ニュースなどからもご存知のことと思います。

ピースボートをはじめ多くのボランティア活動も、これまでは1階部浸水家屋や、瓦礫が入り込んだ店舗の清掃を主に続けてきましたが、ピースボートが担当する石巻市の中心部、中央町や立町あたりの住居・店舗の泥出し、瓦礫出し作業も引き続き行っていますが、それでも一定の目処は見え始めてきました。

そんな中、次なる問題として上がったのが「側溝」。

側溝というのは、道路の両端に通る生活用水や雨水などを処理するU字溝のこと。

石巻市では、場所により「電気」「水道」「ガス」という生活インフラが未だ整っていない場所もありますが、市街地では概ね整備が進んでいます。

しかし、その中の「水道」に関して、水が出るようになったものの側溝が泥で埋まっているため流すことが出来ない、つまり、水が使えないという問題があります。

国道や市道などの大きな通りは行政が担当し、側溝の清掃を行うことが決まりましたが、市民の方々が普段使う生活道路や、家の周りの側溝はその枠組みの外となっています。

そのため、僕らボランティアが地域の方々と協力しあいながら側溝の清掃を進めています。

作業を開始するにあたり、まずはバールや、側溝の蓋を上げる特殊な機械を使って蓋を外します。

場所によりますが、幅は10数センチのコンクリート。重さはおよそ15kgから20kgほどもあります。

「よっこらせ」と二人がかりで持ち上げます。

蓋を持ち上げて見えてくるのは、下水の下に溜まる汚泥。

下の写真で出ているのは、とっても楽な方。地域によっては、泥がパンパンに詰まって蓋を上げるためにバールなどを差し込んでもなかなか外せないようなところも。

ここに溜まった泥を、スコップを使って撤去していきます。

スコップで掬い上げた泥は土嚢袋へ。

ここにもコツがあり、あまり多く入れすぎると持ち上げられません。

汚泥の中には、重油なども混じり込んでおり、信じられないくらいの重さになっているため、土嚢袋に収める量としては、大体5割から泥の質によっては4割程度に抑えます。

土嚢袋に入れた泥は、業界用語で「ネコ」と呼ばれる一輪車に乗せて一時集積場所まで運びます。

こんな風に数人の小さなチームで行う場合は、それぞれの担当を決めて効率的に進めて行きます。

泥の撤去が終わった側溝から蓋を閉めて、周りに付着した泥も水をかけデッキブラシと箒で綺麗に仕上げます。

作業を指示するボランティアリーダー曰く「被災前よりピカピカにするまでが俺らの仕事」とのこと。頼もしい限りです。

こうやって土嚢袋に収められた汚泥は、ダンプやトラックに載せられ、市が指定する震災ゴミ集積場に集められていきます。

今日の午前中の作業で行った一区画で、このくらいの泥が出ます。

繰り返しますが、これはものすごく少ない部類に入ります。

側溝は道という道に沿って延々と繋がっているため、一区画だけ終わらせても、またその次の地域の側溝が通っていなければ、結局そこで目詰まりを起こします。

そのため、活動地域はどんどん広がっています。

ピースボートでは、まだまだボランティアの皆さんの参加をお待ちしています。

そろそろ夏休み、学生さんをはじめお休みの取れる方は、1週間でいいので側溝清掃、やってみませんか

ボランティアに参加するためのハードルも、初期に比べて大分下がっていますので、来やすくなっていますよ

最後に、作業に没頭するチームのみんなに無理を言って一枚撮らせてもらいました。

「皆さんの参加をお待ちしていまーす(▽)」

ALL PHOTOS BY [YOSHINORI UENO]