ボランティア受け入れの仕組み 「石巻災害復興支援協議会」

石巻市では、毎日、県内外から多くのボランティア、支援団体が協力して支援活動を行っています。社会福祉協議会以下、社協の災害ボランティアセンターに登録したボランティアだけでも延べ万人以上。それに近い人数が、ピースボートのようなNGO/NPOなどを通じた団体ボランティアとして活動してきました。実は、これだけ大規模な災害ボランティアが活躍できる場を可能にしたのは、石巻のある仕組みのおかげです。今日は、その災害ボランティアのモデルとも呼ばれ始めた「石巻災害復興支援協議会」について紹介します。

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「石巻災害復興支援協議会」以下、協議会は、現在災害ボランティアの拠点となっている石巻専修大学のキャンパス号館内に置かれています。地元や外部に限らず、災害復興支援に関わる多数のボランティア団体と個人ボランティアが、情報共有と協力体制を行うために、ここで毎晩会議を行っています。※ 協議会のホームページはコチラ

会議には、その日のクリーンアップや炊き出しの件数といった活動報告から、被災者のニーズの変化、「どこの団体が人数が足りないので、ヘルプをしてほしい」といった、現場で活動する加盟団体からのあらゆる情報が挙がってきます。そこで、翌日の活動に向けての最終計画がつくられるわけです。 さらに、協議会は、社協の災害ボランティアセンター、さらには石巻市の災害対策本部とも連携しているので、地元行政や自衛隊の動きとも協力しながら、非常に効率よく、無駄の少ない支援を展開できることになったのです。
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しかし、震災直後に被災地を訪れたピースボートの山本隆は、当時の混乱ぶりをこう語ります。

「被災した自治体職員が、少人数でボランティアやマスコミの対応に追われていました。こんな状況だからボランティアを受け入れる体制ではないという声がたくさん出ているのも分かっていました。けれども、僕はボランティアは復興支援のためには絶対に必要だと思ったんです」

3月17日より、石巻に入り、支援活動を指揮するピースボート共同代表の山本隆
3月17日より、石巻に入り、支援活動を指揮するピースボート共同代表の山本隆

混乱する被災地を見て、国内外で数々の被災地で支援活動を続けてきた山本は、「社会福祉協議会とNGOがゆるやかな合意の上に連携する仕組み」 をつくらなくてはいけないと考えました。そして、集まったボランティアや地元の「青年会議所」や他のNGOと協力して、現地入り3日後の3月20日から毎日「NPO・NGO支援 連絡会」を開催するようになりました。

「石巻災害復興支援協議会」会長の石巻青年会議所・伊藤秀樹さん
「石巻災害復興支援協議会」会長の石巻青年会議所・伊藤秀樹さん

現在の石巻では、毎日個人ボランティアが600800人、団体ボランティアが400名以上活動しています。炊き出しを例に出せば、毎日400010,000食、最大で20,000食程度を提供していた時期もあります。こうした規模の大きな活動は、調整機関がなければ重複や過不足が起きてしまいがち。「○月○日に炊き出し500食を提供できます」「毎週○曜日に美容師○人がヘアーカットができます」といった色んな角度からの支援希望を協議会で預かり、加盟団体の特性や強み、活動場所に応じて、被災者の方々からの支援ニーズとマッチングさせています。特に石巻は、被害状況や被災人口も大きい都市。協議会がこういった団体ボランティアを預かることで、社協の災害ボランティアセンターは情報収集や個人ボランティアの対応を中心に活動を展開するという、石巻ならではの役割分担の仕組みができあがっているのです。

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毎日の協議会の会議も、スムーズな運営のための工夫がされています。全ての議題を話し合うとあまりに時間がかかってしまうため、全体会とは別に分野別の分科会チームを設置。分野別に分けた理由は、それぞれに特技を持つ様々な団体や個人が、なるべく機能しやすくなるということもありました。いま必要な支援分野に合わせて、結成・解散が繰り返されますが、6月前半の現在は、10の分科会に分かれています。

・炊きだし食糧支援

・メディカル医療支援

・リラクゼーション

・心のケア

・キッズ

・移送

・マッドバスターズ泥出しと清掃

・生活支援仮設支援

・復興マインド

・ダニバスターズ避難所衛生改善

※ 石巻の支援スキームについての詳細はコチラ

※ 協議会の登録団体一覧はコチラ 【登録246団体 6/4現在】

「全ては被災者のために」3月から5月にかけて日に日に増えてくるNGOやボランティアのメンバーがこの協議会を中心にまとまっていきました。季節が変わり始め、新しく取り組み始めた「ダニバスターズ」の活動も、現地での支援の優先順位が高いため、協議会加盟の複数の団体が一緒に取り組んでいます。こういった横の連携こそが、大規模なボランティアの受け入れを可能にした「石巻方式」の特徴なのです。

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しかしながら、何度もお伝えしているように、現在はボランティアの数が減少しています。大規模なボランティアの受け入れの仕組みがあるにも関わらず、石巻の復興にはまだまだ人出が足りません。ブログをご覧になっている皆さんも、ぜひピースボートや石巻災害復興支援協議会にご協力ください。

最後に、石巻のボランティア受け入れを真っ先に決断、石巻専修大学の開放などにも尽力した、「石巻方式」のもうひとつの大きな鍵となった亀山紘 石巻市長からの熱いメッセージもご覧ください。『市報いしのまき 災害臨時号第5号』平成23年5月17日発行より

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