避難所に安眠を──網戸の取り付け作業

8月も半ばを過ぎて、東北だけにそろそろ涼しくなるのかな?なんて淡い期待は簡単に裏切られ、暑い日々が続いています。

こちら石巻では、7月頃から増え始めた蝿も、各地から支援物資として送られた殺虫剤やハエ取り紙などが効果を発揮し、少し一段落したように感じたのもつかの間、今度は”蚊”がたくさん発生しています。

蝿や蚊の大量発生を受けて、ピースボートでは各地域の避難所を対象に7月から網戸の設置作業を進めています。今日は、そんな網戸設置作業の様子をお届けします。

 

こちらは、避難所になっている石巻市の住吉小学校。

虫が入り込むのをなんとかしてほしいとの相談を受けて、翌日伺ってみるとそれもそのはず。行政から網戸用の網が送られては来ているものの、それを適切に設置する技術者も居なければ窓枠もありません。

結果、避難所の方々が創意工夫をしながら、ガムテープなどを使って窓に網を付けていますが、ご覧頂いて分かるように、これでは大きく開いた隙間から虫が簡単に入ってきてしまいます。また、ガムテープで止めているため、雨や風を受けると簡単にはがれてしまいます。聞くと、これまでにも何度も剥がれては貼り直しての繰り返しだったそう。

 

これを受けて、ピースボートボランティアチームが誇る職人集団は考えます。現場で各々アイディアを出しながら考えること10数分。いい考えが浮かんだようで、早速採寸に入ります。

どのくらいのサイズの窓が何カ所あるか、避難所をぐるりと周りながら計測していきます。採寸が終わると、「じゃあ、材料を仕入れてくるね!」とトラックに乗ってひとっ走り。

午後一には材料と道具を積んで戻り、校舎の一角を借りてお店を広げます。

ここからは、早いですよ!なにせ、市内にはこの網戸の取り付けを待ちわびている避難所がたくさんあるので、どんどん進めていかなければいけません。

採寸も終わっているので、計算した寸法通りにどんどん木材をカットして、組み付けていきます。

こんな風にして出来上がった枠。ちゃんと寸法通りに作ってはいるけれど、念のために仮当てしてから本組みに入ります。

うーん。ピッタリ!バッチリ!

枠は、少々の風では外れないように、また、建物を傷つけないよう釘やビス止めではなく、楔を噛ませて固定します。

枠がしっかりはまることを確認したら、今度は網をタッカーと呼ばれるホチキスを大きくしたような工具で打ち付けていきます。それを枚数分繰り返し、量産していきます。

みていると、枠の片側には何やらスポンジのようなものを貼付けています。

これは、実は隙間を埋めるテープ。これを付けてはめてみると・・・、

ほーら、ビッチリ!一分の隙もありません。これで、小さな虫もしっかりガード!

ここまで出来たら、はめる位置を微調整しながら楔で極めていきます。

と、いうことで、あれよあれよと言う間に、かーんせーい☆

 

地味な作業ですが、蝿や蚊に悩まされるのって、結構大きなストレスですよね。その悩みは僕ら自身が生活するボランティア拠点も同じ状況なので、とってもよくわかります。

それだけに、一日でも早く全ての避難所の網戸取り付けを完了させて安眠を届けるべく、ピースボートの網戸取り付け職人部隊は今日もせっせと窓枠を拵えています。

 

 

次号では、いくつかあるボランティア拠点の一つをご紹介致します。週末などの短期で訪れるボランティアのための宿泊施設です。

最近、シャワーが導入されて過ごしやすくなったとか!?

これから来る人たちも、乞うご期待!!

 

ALL PHOTOS BY [ ©Yoshinori Ueno ]