【ネパール地震被害】現地レポート(2)~子ども達の学びの場を取り戻す~

 

4月25日にネパールで発生した大規模地震災害から、約2ヶ月が経ちました。

PBVからは2名のスタッフが現地に滞在し、地元団体や日本のNGOらと協力しながら支援活動を続けています。

前回のブログ「現地レポート(1)」でお伝えしたとおり、今回のネパール支援は、長年現地で国際協力事業を行っている日本のNGO「シャプラニール=市民による海外協力の会」と、地元の子ども支援団体「CWIN (Child Workers in Nepal)」と協働して行っています。

 

その他にも、国連を中心として、政府機関や地元組織、国際支援組織が集まって分野別の支援状況を話し合うクラスターミーティングにも参加しながら情報を集めてきました。クラスターミーティングは、避難所運営、医療、栄養、食糧安全保障など、11の専門分野ごとに分科会が実施され、国内外の団体の支援が重ならないように情報を共有していきます。一方で、大きな支援の枠から漏れてしまったり、地元で上がる細かいニーズや状況を把握しているのは、地道に活動をしてき地元の団体です。それらの情報を元に、被害の大きかった地域への視察を行いながら内容を検討していきました。地域で行われる支援団体間のミーティングは、ネパール語がほとんどで、言語面でも文化面でも地元パートナーの存在は不可欠です。

 

クラスターミーティング クラスターミーティング2
現地では、大きく分けると2つの支援活動を展開しています。一つは、倒壊してしまった学校の代替となる仮設校舎の建設と子ども達が学校生活に必要な物資の提供。二つ目は、地元団体がボランティアを受け入れるにあたっての、災害ボランティアトレーニングです。
まずは、子ども達の学びの場を取り戻す為の支援に関してお伝えします。

首都カトマンズの北部に位置するシンドゥパルチョク郡は、村の建物の9割強が崩壊するなど、地震による被害が深刻な地域です。シンドゥパルチョク郡は、丘陵地帯で緑に囲まれた自然が豊かな地域で、山沿いには段々畑が広がり、その中に家が点在しています。

段々畑

 

 

 

この地域では、4月25日に発生した本震では被害は比較的少なかったのですが、5月12日に発生した大きな余震の震源地が近かったため、何とか持ちこたえていた建物が次々と崩れてしまいました。

被害状況被害状況6

 

 

 

シンドゥパルチョク郡に訪れた際に、地元のパートナー団体「CWIN (Child Workers in Nepal)」と共に、シンドゥパルチョク郡地域の教育分野に関するクラスターミーティングに参加しました。そのミーティングには、シンドゥパルチョク郡の教育分野で活動している団体や自治体、国際機関から約40人が一堂に会し、各団体が活動の進捗を報告していました。
その後、ジャルビレという名の集落を訪れました。その集落にある学校は外観だけを見ると、そこまで大きな被害がないように思いますが、中を覗くと天井が剥がれ落ちたり壁が崩れていたりと、とても子どもたちが安全に学べるような環境ではないことが分わかりました。

学校被害 学校被害2

 

 

 

シンドゥパルチョク郡は99%の教室が被災しました、これは75ある郡のなかでも圧倒的に多い数です。ネパール政府は、7月10日までにTemporary Learning Center(TLC)と呼ばれる仮設校舎を設置するように支援団体へ要請しています。ネパール全土で2703校が建設予定、うち全体の25%にあたる655校がシンドゥパルチョク郡に集中しています。
地元のパートナーCWINの職員が1週間に渡る調査を25校に対して行いました。仮設校舎が必要となるのは19の学校に計23棟だという結果が出ました。そこで、PBVとCWINと協働して、仮設校舎の建設と必要に応じてトイレや水場を設置することになりました。一つの仮設校舎には、2クラス計80人の勉強する場所の確保ができます。

見学してきた仮設校舎※PBV設置でない 見学してきた仮設校舎※PBV設置でない2

※他団体によって既に首都カトマンズに建設された仮設校舎の様子

 

 

また、学習用品などが入ったスクールキットと、ボールやパズルなど簡単な遊び道具が入ったリクリエーションキットの配布も行います。今回配布する物資の仕分けや袋詰め等はCWINの地元のボランテイアの皆さんにご協力頂いています。

物資仕分け レクリエーションキット

 

 

 

現在、子ども達が早急に学べる場所を確保できるように仮設校舎の建設とスクールキットとレクリエーションキットの配布を進めていきます。

子ども  子ども3

 

 

 

※仮設校舎の建設等と学習用品の提供のプロジェクトは、
ジャパンプラットフォーム様からの助成金とパルシステム千葉様、パルシステム埼玉様、パルシステム群馬様、パルシステム山梨様、パルシステム福島様、パルシステム静岡様、テサテープ株式会社様、LUSH JAPAN様、真如苑様、個人の皆様のご寄付によって実施しています。

 

続きはコチラ、

【ネパール地震被害】現地レポート(3)~地元ボランティアの為の環境づくり~