子どもたち、九州から未来の平和を考える

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おはようございます!
今日、子どもたちはピースボートのオリジナルツアーに参加します。
そのツアーのタイトルは「九州から見えてくる未来の平和」
過去の戦争を振り返り、平和な未来を作る。
まさにピースボートの合言葉がぴったりあてはまるツアーです。
まずはじめに訪れた場所は、大刀洗平和記念館です。

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今日は福島の子どもたちが来るということで特別に平和資料館の副館長、寺原さん自ら赴いて

様々な説明をしてくれるとのこと。

「遠路はるばる訪れてくださり、ありがとうございます。応援してますよ!」

と温かいお言葉をいただきます。

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早速館内へ。

ここ大刀洗平和記念館には、戦時中、西日本最大規模の陸軍拠点がありました。

特攻隊として、沖縄に飛び立った大勢の若者たちがこの地にて飛行訓練を行っていました。

館内には日本にも数機しか残っていないと言われる、「ゼロ戦」いわゆる「零式艦上戦闘機」が展示されています。

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その他にも、当時の様子がわかる写真や、若くして特攻に散った少年たちの遺書などが多く展示されています。

特攻数時間前に撮影された若者の姿や、まだ墨が乾いていないような生々しい直筆など

子どもたちもそれらの展示にぐっと引き寄せらています。

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中には教科書などでは目にしたことのない写真も。

改めて、戦時中にここで何が行われ、多くの若者がどのような感情を抱いていたのか、子どもたちは深く学んだのではないでしょうか。

「特攻隊の飛行機が落ちる映像がとても印象に残った」「B29がこんなにでかいなんて」

「福岡県は美味しい食べ物のイメージがあるけれども悲しい歴史もあるのだと知った」

「福岡にこんなに焼夷弾が落とされていたなんて知らなかった」と子どもたち。

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一旦、ここで昼食休憩。

平和記念館近くのお食事処で、一般のツアー参加者と一緒にお昼です。

参加者みな温かく、親切に福島の子どもたちを迎え入れてくれます。

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子どもたちもお茶を入れたりと、きちんと大人の方々に接していましたよ。

なんかこっちが誇らしげになっちゃいます。

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時に台湾からの参加者も。まだまだつたないけれども、一生懸命英語で話そうとする子どもたち。

「英語が話せなくても、ある程度伝えることができるんだ」と口にしていました。

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続いて一行は何気ない日常溢れる景色の中にある一本の木を目指します。

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ここは頓田の森平和花園というところで

昭和20年3月27日、B29爆撃機から投下された一発の爆弾によって立石小学校の児童31名が亡くなった場所なのです。

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時間の流れとともにこの事実を知る人はどんどん少なくなっています。

そのことを風化させてはいけないと伝承させていくための大切な場所でもあるのです。

その場所を目の前にして子どもたちの表情もひきしまります。

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頓田の森を後にし、続いて訪れた場所は博多冷泉公園。

桜が満開に近いこともあり、お花見をしている方々がたくさんいらっしゃいます。

その公園の中央にどすんと建てられている慰霊碑。

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これは福岡大空襲で亡くなった方々を慰霊して建てられたものなのです。

今となってはなんの変哲もない普通の平和な公園の景色。

しかし、70年前、間違いなくここは戦場だったのです。

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そこからバスで数分のところに福岡市立博多小学校があります。

当時は奈良屋小学校という学校でしたが、合併され現校名に。

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こちらの地下一階には、博多で空襲された時に焼けずに残った跡がのこされており

当時の博多の写真などとともに見学をすることができます。

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ドアをくぐるとそこは別世界。

70年前のものがたくさん眠っています。

大きなそろばんに興味を持った子どもたち。当時のおじいちゃん方が嬉しそうにその使い方を教えてくれます。

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実は本日のツアー、お二方の同行者がいらっしゃいます。

写真向かって左の方が石村先生。

1927年生まれ、戦争体験者であり、現在は憲法学者としてご活躍中。

写真向かって右の方が毛利弁護士。

現在は原発を減らすための1万人原発訴訟などの活動を行っています。

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今日は彼らの貴重な話を聞かさせていただきます。

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石村先生は、当時の戦争体験の話から戦争向かう仕組みの話。

自身の学生時代の生徒手帳を手に、

冒頭の教育勅語についてや言論抑圧についての話をしてくれました。

また、子どもたちに向けて

「これからは若いみなさんの時代になるから、歴史をたくさん勉強してほしい」と心強いメッセージを残してくれます。

そして毛利弁護士は憲法について話をしてくれます。

憲法の大切さ、憲法は国民のものということ、

改憲しようにもきちんとした手続きを踏んでしなければいけない。

戦争に行くのは今の子どもたち、そしてこれから生まれてくる人たち。

だからこそ今真剣に考えなければいけない。と。

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そんな話しに真剣に耳を傾ける生徒たち。

少なからず子どもたちの心にも何かが残ったのはないでしょうか。

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その証拠にディスカッションタイムでは

「もっと色々な人の実体験を知りたい」とか

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「戦争は恐ろしいなと思った」とか

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様々な意見が飛び交っていました。

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なかには「憲法の話しを聞いて法律についてもっと知りたくなった」という中学生も。

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最初は見知らぬ大人たちに囲まれて、しかも議論の内容も複雑で難しい話だったので

おどおどとしてはいましたが、

周りの親切な大人の方々の手引きで、最終的にはしっかりと自分たちの意見を述べていた子どもたち。

ぐんぐん成長する過程を目の当たりにしたような気がします。

いや、むしろ、こちらが勝手に中学生だからと決めつけているだけで、本当は自分たちの心の中、頭の中で、たくさん考えていること、感じていることがしっかりとあるのかもしれませんね。

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さてさて、場所を変え、こちらは石村萬盛堂。(福岡ではかなり有名な甘味処)

せっかく博多に来たのだから、博多っぽいものもたくさん体験しなくては!

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ご家族にむけて、みな、一生懸命お土産選びです。

素晴らしい!

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お土産を買ったあとは、川端商店街をぬけて、

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博多駅前に到着!

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同じくここでもお土産タイム!

ここはやっぱりご当地ラーメン、博多ラーメンでしょ!

「うわぁ。博多ラーメンっていってもこんなにも種類があるんだぁ」と再び新発見。

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さぁ、存分に博多を体験したあとは、みんなで一緒にバスに乗って船まで帰りましょう!

見知らぬ土地でのバスの時刻表チェックもまた旅の楽しみの一つ。

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ワイワイとバスに乗り込み。

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見えてきました、我らがおうち、ピースボート!

無事に到着です!

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とっぷりと陽も暮れ、あたり一面真っ暗に。

博多の灯にむかって手を振ります。

次の目的地、韓国にむけて出航です。

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韓国好きの女子二人、何やら真剣な表情で手元の紙を覗き込んでいます。

なにをやっているのかな?

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うーん、素晴らしい。

韓国語の勉強だそうです。明日はいよいよ韓国ですからね!

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みっちり勉強した後はみんなでカラオケ大会!

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これぞ THE 中学生!という景色ですね。

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先日仲良くなったブラジルユースとも、ほら、この通り!

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さらには一緒にダンスなんかも・・・本当に珍しい!

最初はとっても時間がかかったりもしましたが、徐々に自分を表現するようになってきています。

旅はまだまだ続きます。これからの成長も楽しみですね。

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