コンサート@津田ホール

コンサート開演。
福島・ベネズエラの子どもたちにとっては
船内での練習の成果が試される30分間がついに始まります。

緊張の一瞬。
呼吸を整え、互いに眼差しをかわし、弦と弓を一斉に触れさせます。

寸分狂わぬ初音。
見事にメロディーが奏で始められます。

初めて彼ら彼女らが顔合わせをした時
子どもたち同様、私たちスタッフも多少なりとも不安がありました。

日本語とスペイン語という、互いに全く共通の言語を持っていないのに
うまくコミュニケーションがとれるのだろうか…

そんな不安をあっさりと拭い去ってくれたのが、この音楽だったということは言うまでもありません。

初めての練習の時、
言葉がわからなくても見事に音をあわすことができたあの瞬間。
今でも忘れられません。

その後、何度も何度も繰り返し練習してきた音楽。
時にお互いの文化・価値観の違いから意見がわれることもありました。

しかしそんな時も、お互いに決して妥協せず
真剣にぶつかり合ってきたからこそ、分かり合えるものが生まれたと思います。

その集大成がまさに今ここで発揮されています。

弦楽器と金管楽器の演奏を終え

次は船内にてずーっと一緒に合唱してきた仲間たちも加わり
「ベネズエラ」という曲目を披露。

開場からは溢れんばかりの拍手が。
福島の子どもたちのご両親も温かく見守ってくれています。

彼ら彼女らの演奏も終盤。
全員での演奏です!

目と目で言葉を交わし

それぞれがそれぞれの音を受け入れ、活かしながら…

一小節ずつ一小節ずつ前に進んでいきます。

見事、今までの中でもベストと言える演奏を成し遂げました!
彼ら彼女らにとっては人生において大きな一歩になったはずです。

ここだけの話し(写真)ですが…
見てください!この演奏終了直後のこの笑顔!

それとこのドヤ顔(どうだ!やってみせたぞ顔)
この純粋さがあるから憎めないんですよねぇ。。。

さて話しを舞台にもどし、こちらは福島とベネズエラの子にインタビュー中。
実際に船旅でお互いに交流してどのように感じたのか、このプロジェクトを通して何を感じたか…
しっかりと語ってくれました。

コンサートは第一部から第二部、第三部へ。
加藤登紀子さんとNTT東日本東京吹奏楽団によるコンサート。
そして加藤登紀子さんと鎌田實さんによる「ふくしま・うた語り」へ。

加藤登紀子さんの歌声…

そしてその詩の重みに…
グッと魂が震え…

鎌田實さんの語りに…涙。

今、福島で起きていること
現在進行形で変化している状況のこと
その状況下におかれている子どもたちのこと

それらは決して他人事ではないこと
全く収束なんてしていないこと
関心を薄れさせてはいけなこと
様々なことを考えさせられる貴重な時間となりました。

同時にお二方のこの笑顔。
これだけでも子どもたちは相当に勇気づけられたのではないでしょうか。

さらにさらにさらに、
加藤登紀子さん、アンコールにお応えして、かの名曲
「百万本のバラ」を披露。
まさか、この場で生のその曲を聴くことができるなんて思ってもいませんでした。

さぁ、コンサートもいよいよ終盤。

出演者全員によるフィナーレです!

覚えたての日本語を使っての自己紹介に
会場からは温かい拍手が送られます。

福島の子どもたちも、ベネズエラの子どもたちも
NTT東日本東京吹奏楽団の方々も

そして加藤登紀子さんも、鎌田實さんも

さらには会場も一緒になって
「愛 Love Peace」を合唱。
本当に素敵なコンサートが今ここで幕を下ろします。

緊張の糸がきれました。
思わず涙と涙で抱きあいます。

男子たちのこの笑顔を見れば一目瞭然。

会場の外ではボランティアの方々も頑張ってくれました。
最後の最後まで募金活動、本当にお疲れさまです。

コンサート終了後は加藤登紀子さんと

鎌田實さんのサイン会も大行列・大好評!

本当に多くの方々の協力があってこそ実現した本コンサート。
このコンサート開催にあたって、
ご協力してくれた加藤登紀子さん、鎌田實さん
そしてNTT東日本東京吹奏楽団の皆さん
ボランティアスタッフの皆さん
そしてご来場してくださったお客様
本当に有難うございます。

今日という一日は福島の子・ベネズエラの子たちにとっては
人生の中でも決して忘れられない一日になったと思います。
この体験を、そしてこのエネルギーを、それぞれ自分の故郷へ持ち帰り
周りの方々にも広め、未来への大きな活力になることを心から願っています。

(写真・文 片岡)

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