「フロンティア南相馬」の代表・草野さんと初めてお会いしたのは、11月の仙台で行われた「東日本大震災復興支援財団」主催のイベントでのこと。震災後、南相馬市の子どもたちの遠足プロジェクトなどを実施されているということで、「福島子どもプロジェクト」とのつながりを感じ、ご挨拶させていただきました。「いつか一緒に何かできればいいな」と思っていたところ、今年1月にその機会が巡ってきました。
2012年1月13日、海外からの福島視察グループを前に活動紹介をする「フロンティア南相馬」代表の草野さん。
1月14日、15日とパシフィコ横浜を会場に行われた「脱原発世界会議2012 YOKOHAMA」では、世界各国、また日本各地から専門家やアーティストによる大きなシンポジウムが多数行われました。けれど、この会議を活気づけたのは、60にも上る「持ち込み企画」や約70のブース出展など、多くの市民団体が一堂に会して活動発表と意見交換をしたことにより、「私たちにできること」の選択肢がぐっと広がったことにあります。
全国の市民団体が集まって出展する「脱原発世界会議」のブースコーナー。
ピースボート災害ボランティアセンターもブース出展。事務局のボランティアらがお手伝いしてくれました。
ピースボート災害ボランティアセンターとして、たくさんの人が集まるこの会議で、「福島子どもプロジェクト」の活動発表を通じて、福島の子どもたちの現状を伝えたいと「持ち込み企画」に応募。すると、「フロンティア南相馬」からも活動発表の申請が。さらに、先日ご紹介した「つながろう南相馬」からも同じく企画案の申請があり、三団体が協力して「南相馬と子どもたち」というイベントを実施することになったのです。
「フロンティア南相馬」の面白いところは、東京の企業などで新しいビジネスや社会貢献を行っていた南相馬出身の若い現役世代がメンバーに多いこと。震災を受けて南相馬に戻り、地元の旧友らと一緒になって活動を始めました。支援物資の配布から始まり、冒頭に紹介した子どもたちのリフレッシュを目的とした「遠足プロジェクト」、被災地商品のインターネット販売を手がける「復興デパートメント」、放射線測定器の無料貸し出しなど、柔軟に新しいアイデアを取り入れながら、次々にが生まれていきます。
未来を担う子どもたちとコミュニケーションを持ちながらも、今を生きる世代ができることに積極的にチャレンジしていく。「フロンティア南相馬」の皆さんのしなやかさには、学ぶところが多いなと感じました。
最後に、上記企画「南相馬と子どもたち」の中でも紹介した、可愛らしい動画の紹介。
「フロンティア南相馬」のメンバーも親交の深い「福幸再見」が、子どもたちとのワークショップで作った光の映像作品「piKapiKa」です。
photo: Kazushi Kataoka